■マ王■

□合服から始マる物語
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ゴールデンウィークを過ぎて急に暑くなってきた。
はやく制服半袖に切り替わらないかなー。
でも、もう学ランは着なくてもよくなっている。

「アチー」
学校の帰り帰宅部の俺は、1日で一番暑い時間をたった1時間半回ったばっかりで ちょっとでも木陰のあるのが涼しいだろうと 公園を横切っていたら 水飲み場の下に出来ていたちょっとした水溜りで 溺れた。
じゃなくて!スタツアさせられた。
もうっ 眞王が呼ぶのはいっつもイキナリなんだから!
あれ?今日は近くに村田いないんですけど。まあそういう時もあるか。


「陛下 なんという扇情的な御姿。」ギュンターの黄色い声。なんか出てるよ。
「戦場的?」
「陛下 今日はまた色っぽいですね。」

最近、眞王廟の泉の周りは全然男子禁制じゃないね。

あ、ワイシャツの下 何も着てなかった。濡れてぺったり張り付いて肌色が透けてる。

今日は1時間目から体育があったから、朝自宅を出た時はワイシャツの下に体操服を重ねてきて登校して、Tシャツをカバンに入れるのを忘れていたから今は素肌にワイシャツだけ着てたんだった。ぺったりしてて気持ち悪い。移動するまで我慢できないもう脱いじゃお。
尻はまだ泉に座ったままだ。

「わー陛下!此処は女性が多いのですから。」
教育係が喚く。脱ごうとしたら止められた。
「だって 気持ち悪いんだもん。」
「一番近いお部屋に着替えが置いてありますからそのままで。」
「ギュンター、陛下のその格好の方が色っぽくて巫女さん達には刺激が強いのでは?」
「さすがコンラッド。大体待ち構えていたくせに二人とも今日に限ってバスタオルとか持ってないなんて。」
「すみません陛下。」
「陛下って呼ぶな名付け親!」
「はい ユーリ。」

「そうだ、ギュンター。」
「なんですか ユーリ陛下。」
「ギュンターも俺を呼び捨てで呼んで。」
「そんな恐れ多い。」
「…命令だ。」

「では ユユユユーリ。」
「よし。」
…バタリ。
「あれ ギュンター! どうした。病気か!」

「いつものことですよ。」
「へ?」
「そんな色っぽい水も滴る魔王陛下に上目遣いに命令されたから腰でも抜けたんでしょう。」

「意味がわからないです。
ところで今日はヴォルフは?」
「ビーレフェルトの城にいます。なんか今日は私兵の面接だそうで。」
ふーん 居ないのか。なんかちょっとあの声が聞けないと寂しいな。
って思ったらまたスタツアしてしまった。
「ユーリ!」
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