■大人の裏マ■

□お菓子
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すぐに湯あたりするくせにユーリは 自分で風呂が好きだと言って憚らない。
今日ものぼせて 下着一つで 自分のベッドで
大の字に眠っている。

「こら ユーリ。寝間着を着ろ。」
んー ヴォルフー
「しょうがないな。」

水差しからグラスに水を注いでやったもののこれでは飲ませられない。

やれやれ、と言いながら ここはありがたく役得をいただく。

自分の口に水を含んで、ユーリに口付ける。
さらに2度目も。

ユーリが素直に飲んでくれたのに少し安堵して、そのまま寝ている彼に接吻を続ける。
「ん ヴォルフ 」
相変わらず 甘い双黒の唇を味わう。
そういえば、地球に行った時に美子さんが マシュマロ とかいうお菓子をくれた。
ちょうどこのユーリの唇のような弾力だった。本当にそっくりだ。
僕の唇で挟んだり、歯で挟んだりして愛しい唇を味わっていた。
まだ眠っているのをいいことにエスカレートしていく。

起きたって構うもんか。晴れて両思いの恋人になったのに、僕より先に寝てしまうユーリが悪い。


今日は、ユーリの成人の誓いのセレモニーが終わった数日後。
僕の叔父とのイザゴザもあって、その間止まって貯まっていた普通業務をこなして、連日の激務に疲れていたのは確かだ。

でも、昨日晴れて大人になったストイックな恋人に大人らしいことをしたくてたまらない。


ユーリの唇を割ってツヤツヤと並んだ前歯を舐める。母上が持っていたパールのネックレスよりつるっとしている。

左手は湯上りでまだ少ししっとりしている漆黒の髪を梳いてやる。

体が冷えてきている。
僕は僕自身が上掛けになりたくなって、ネグリジェの体をユーリを温めるように重ねていく。
「ユーリ、愛しているよ。」
そう呟くと、ユーリの両腕が動いた。
僕をやんわりと抱きしめてくれた。
二つの漆黒の瞳が開いて、僕を見る。
今味わっていた唇が動く。
「ヴォルフラム、ありがとう。」

「すまないユーリ疲れているのに起こしてしまったか?」
「いいんだ。ちょっと肌寒くなっていたから、でも動けなかったからあのままだったらマジ風邪引くところだ。
なあ、俺も寝巻きを着るよ。ちょっとどいて。」
「ああ。」
って言いながら魔王陛下のいうことが聞けない僕だ。
目を開けてくれたのが嬉しくて、僕の大好きな瞳をもっと見つめる。
「ヴォルフラム。」
「ユーリ愛しているよ。」

「うん、俺もヴォルフラムのことがスッゲー好きだよ。」

僕を好きだと言ってくれた唇にまた自分のを重ねていく。
角度を変えて何度も。
親指で彼の顎をつつくと少し口を開けてくれた。
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