■大人の裏マ■

□TELEPATHY or SYMPATHY
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翌日 眞王廟でなんか行事があるらしいからと 朝食から血盟城に来た村田に 夜のイトナミ的なことはふせて、
ヴォルフラムとのやりとりを聞いてみた。

「うーんそれはテレパシーじゃないね。」
「やっぱり」
「どっちかというと シンパシーってやつかな。」
「シンパシー?。」
「ま、地球じゃ同じようなものという扱いだけどね、ここではちょっと違うかな?
魔族の方が勘が鋭いからシンパシーは良くあるかも。
具体的な内容のやりとりはテレパシーより近寄らないと無理だけど、虫の知らせみたいなものは
例えば地球とこっちに離れていても感じるかもしれないよ。」
「へえ。」
「ということは地球でユーリが浮気をしても分かるかもしれないということだな。」
「え!」ナンパぐらいはあっちで体験したかったんだけどー。
「ま、二人がより近しい関係になってきたってことかもね。
確かに今回僕たちがこちらに来るタイミングがフォンビーレフェルト卿にはわかったんでしょう?」
「な、何となくですが。」
「それがシンパシーだよ。」
「ふーん。つまり何なんだ?」
いまいちつかめない。
「もっと仲良くしたら、もっとシンパシーが使えるようになるってことだよ。身近な人限定のテレパシーだね。」
なるほど。って俺の気持ちもヴォルフラムにちょっと向いているってことか。
でもまだはっきりとは認めたくない。調子に乗られそうだから。
って思ったらなんか南の方からグレタの気配がする。
まだ城の外だけど、今朝帰ってくるんだっけ。席を立って昨日地球から持ってきたお土産を取りに寝室に戻り、
それを持って門の近くに出た。

やっぱり馬車と馬のいななきが聞こえる。
「グレタ!おかえり。」
「ユーリ!ただいま。ユーリもおかえりなさい。」
「グレタおかえり。」
「ヴォルフもただいまー!」

代わる代わるグレタと抱擁をする。
「ユーリ、悔しいなグレタの帰ってきたタイミングわかったんだな。」
「シンパシーってやつですかね。」
「ユーリ、あのね お土産があるんだよ。もうすぐ冬になるでしょう。これ!」
わ、黒いマフラーだ。スゲー。10歳でマフラーが編めるなんて我が愛娘は天才だ。
「俺もグレタにお土産があるんだ。」
ジャーン
YANAHAのソプラノリコーダー と ピアニカ
地球の10歳ならリコーダーは始め時だしね。
「わー、この笛ってユーリのとお揃い!」
「うん。合奏したら楽しいんだ。俺が教えてやるから。」
「わーいわーい。」
愛娘がすごく喜んでいる。お父さんは幸せだよ。って思っていたら後ろから温かいものが伝わってきた。
振り返るとヴォルフラムも幸せそうな顔で笑顔のグレタを見ている。
本当ヴォルフラムって俺にはもったいない婚約者だな。釣り合いが取れるようにもっと頑張って王様しないとな。
眞魔国の俺の家族の幸せのためにも。

今なら言える


…眞王、俺を選んでくれて こちらに呼んでくれて 本当にありがとう。



FIN

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◇あとがき◇
このぐらいの裏がちょうど綺麗で好きなんだけどどうですか、え、もっとすごいやつ?
…勉強いたします。
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