■大人の裏マ■

□魔王陛下はみんなのもの
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「という兄弟会議がついさっき決着したんです。」

「こ、コンラッドさん?どゆこと?」
俺様こと=ユーリ陛下は漆黒の瞳をパチクリさせて自分にしがみついている三男の肩越しに次男を見つめる。
さっきまで寝こけていたグウェンダルのベッドの上だ。

「ぼくは、ほんとうは嫌なんだからな。シブヤユウリは 僕だけの恋人だと思っているんだ。」
「でも、魔王陛下はみんなのためにあるべきだよね。」
「そ、そうでしょうけど、この部屋には みんなじゃなくてツェリ様の三兄弟しかいないじゃないか。」
「この部屋のベッドは四人が限度だ。」
グウェンダル、その定員の勘定の仕方はどこから来ているんですかって
「わーグウェンダルゥー ボタンをはずすな!なんであんたまでそんなに積極的なんだよ。」
タッパがあると腕も長いから後ろから回すと余裕で学ランのボタンに手が届いている。
「私もユーリの事を愛しいと思っている。お前はどうだ?」
どう? だって? ってか、このシチュエーションでグウェンダルからの初めての告白に真っ白になって固まってしまう。

固まっているうちにグウェンダルは下から三つほどボタンを外してしまう。
「ちょ、ちょっとまって。まってってば。」
ようやくこわばりから動く。
無意識に腹に回されているグウェンダルの両手首を必死で抑えていた。
「今は大好きだよ。頼りになるし、このでっかいのがなんか安心するというか」
「それは良かった。」
腹にあった手が移動して後ろから頬と顎を捉えられて右向きに振り向かされる。
サファイアのような瞳が迫ってきた、初めて見るグウェンダルからの甘い視線に体温が上がったような気がする。
深い蒼い瞳を見つめていたらいつの間にか唇を塞がれる。
「んっ」
あれ?でも俺、この唇なんか知ってるかも。

何時?

「舌を出せ」
「グウェン っうん」
グエンダルの舌がおれの口の中をゆっくり撫で回す。
何度もヴォルフラムとキスを交わしてきた俺に いつものと同じようで少し違う快感が背中に上がってきた。


ああ、なんか気持ちよくなってきた。

そうなると、しがみついていた理性が弱くなっていく。
「グウェンダルのキスに感じているみたいだね。」
コンラッドが耳元で囁くと快感が深くなる。
キスだけでこんな、俺、どうなるんだよ。
少し怖い。

「ユーリ、ちょっと苦しそうだな。いま楽にしてやろう。」
胸からねじって後ろに向かされている学ランの襟元をヴォルフラムが外していってくれる。
立て襟から解放された首筋にヴォルフラムの唇を感じる。

ねえ ヴォルフラム、いつものヤキモチパワーで俺を助けてくれないのか。
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