■大人の裏マ■

□お菓子2
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「ゆーちゃん、ご飯できたわよー。」
お袋がそばのダイニングテーブルから呼ぶ
「はーい。 今日の飯は?おっ美味そー」
「でしょう。」
うな重だ!こんなのは眞魔国にはない。って、まずあっちには米がない。

「でも、今日はなんでこれなの?」
「奮発と手抜きを兼ねているのよね。
だって今日は 勝ちゃんがゼミの合宿だし 馬ちゃんが出張でいないから二人分のご飯で良かったから。
うな重なんて、スーパーで焼いたうなぎ買ってきて乗っければいいんだもの。」
「なるほど、ありがたいです。
うん、いただきまーす。」

「この季節にうなぎ を 食べるなんて、昔の人は偉いわね。夏バテにはこれよね。
ゆーちゃんもあっちじゃあ忙しいんでしょう?」
「うん すごく忙しいよ。」
「やっぱり、だから精力つけてがんば…」
ぶっ
「やだ、ゆーちゃんってばむせるほど慌てて掻き込まなくても、誰もとりませんよ。」
「ご、ごめん お袋。」
「やーね、ママでしょ?ゆーちゃん。」
だって、俺的にはすごいタイミングの単語で…。

「それにしても、ゆーちゃん 眞魔国って楽しい?」
「うーん、まだ楽しんでいる余裕はないよ。することめちゃくちゃ多いし。」
「そうよね、王様なんて こっちで言うところの総理大臣みたいな?ものですものね。
ママが小さい頃は、総理大臣に憧れる子供とかいたんだけど、実際は任期中はほとんど寝られないほど忙しいって言うじゃない?
大変よね。」
「そうだね。俺はあっちではまだ子供だということもあってかなりみんなに助けられているんだよな。
それでもいざという時には全責任は俺にあるんだろうけど。」
「でも、すごいわね。そんな人生を送る人が私の息子なんて。なんて光栄なんでしょう。
パパに感謝、魔族の皆様に感謝するわ。」
「感謝って。」
「そうよ。世の中にはなんでも文句を言いながら過ごしている人と、
何にでもありがとうって感謝しながら生きている人がいるけれど、
ママぐらいになって知り合いやお友達を見ていると、文句言いながら過ごしている人は
小じわが増えて老けているの。」
「へえ。」
「逆に、常にいろんな人に笑顔で感謝の気持ちを表している人は、顔色も明るくて若々しいのよ。」
「それはすごいな。」
「ゆーちゃんも、あっちでは一番偉い?人かもしれないけれど、ちゃんとお礼とか挨拶とかしなさいよ。」
「わかってるよ。だって、みんなと仲良く平和になるために魔王になったんだから。」
「そうよね。それでこそ私の自慢の息子だわ。」

…そうだよな、感謝しなくちゃな。
平凡な高校生が 魔族の王様やれるなんて。
男だけど、あんな綺麗なフィアンセがいるんだぞ。
それであんなに情熱的に俺に向き合ってくれるなんて、
本当にありえないはずだったものな。

感謝しなくちゃ。

それにお兄ちゃんズも、最初はあれだったけど
最近は俺の意見もちゃんと聞いてくれているし。

んじゃ、昼間に買ったお土産持って出勤しますかね。
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