■大人の裏マ■

□血盟城の秘密の部屋
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真夜中にできるだけ静かに本を運んで本棚を動かす。
物音を立てると 何事かって 魔王の寝室の外で立っている(寝ながら立っているって知ってるよ ダガスコス)
奴が駆けつけてきてしまうから。
メイドさんがしっかり掃除してくれてるからか余り埃がなかったのは助かった。
本棚は壁一面にあるように見えてちょうど扉の幅だけ1つ独立したものだった。
これさえ退ければ。

「ユーリ、大丈夫か。」
「うん、いくよ、せーの。」
呼吸を合わせて二人で本棚をそうっとずらしていく。

「あ、出てきたよ。」
「ああ。
この扉は…何処かでみたような。
ユーリ、危ないかもしれないから下がって。」
そう言って俺に持っていた燭台を渡すと、いつの間にか左手に剣を下げて
ヴォルフラムが少し緊張した様子で右手でノブに触れて回そうとする。

魔王の部屋の隠し扉が危ないはずないだろ。
でもなんだろう、城だし、秘密の抜け穴かな。だったらギュンターの目を盗んで城を抜け出せるかも。
不安もあるけど、期待もしながら扉が開くのを待つ。
「開かないぞ」
「固い?」
「いや、回らないし、びくともしない。鍵穴がないから鍵を掛けることは出来なさそうなのに。」
なんだ、フェイクの扉?そんな、
ちょっと残念に思いながらヴォルフラムと交代して今度は俺がドアのノブに触れる。

ギィ

「動くけど。」
「魔王じゃないと動かないものかもしれないな。」
モルギフとか魔鏡みたいな?まあ魔王の寝室の奥だし、そんなこともあるかもしれないな。

開いた扉の向こうには

「部屋がある。」
「ここは…」
大きな窓が2枚あって、カーテンの隙間から月明かりが入ってるけど、かなり暗い。
するとヴォルフラムが燭台を持って入ってきてくれて中の様子が明らかになった。
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