消えないで

□きゃんでぃーぴんく
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コーヒーを入れ戻ってくると

「そうだ!もうすぐ島に着くけどマナミは降りるよね?」
『あらそうなの?そうねぇ荷物全部置いてきちゃったもの』
「なんだ持って来たい物でもあったのか?」
『そりゃあ手元に置いておきたい物の1つや2つあるわよ…他人に見られたくないものもあるし』

そう言った顔があまりにも淋しそうでそれが何なのか誰1人聞けずにいた。
目的と関係があるのかないのか……
面で隠した素顔では何を思うのかローは聞けなかった。

各々そんな深い考えをしているなんて露知らず

『…私の手配書コレクション……』

そうボソッとつぶやかれた言葉を誰もが聞き逃さなかった。

「え、手配書コレクション??」
『そう…鍵付きの引き出しにそっと……大切に…しまっておいたんだけど……はぁ今まで隠してたのに!皆にバレちゃうっっっ一大事よ!!!』
「そんなことかよ!!もっと重要なものだと思ったわ!」
『私にとってはとても重要よ』
「ちなみにそのコレクションとやらには誰の手配書があるんだ?」

誰もが気になっていた…否、誰かによっては迷わずそいつを潰しに行くであろう男がいたからである。

『……ローのに決まってるじゃない』

安堵と共にこいつの羞恥心が分からない男たち。
機嫌がすこぶるよくなったローは抱き寄せとても自然に額へキスを落とす。

見てはいけないものを目の前で見てしまい慌てて

「お、俺たちはそろそろ仕事に戻るか」
「そ、そうだな」
「島についたら教えるね」

この事は絶対他言しない、と心に決め部屋を出ていった。

『どうしたのかしら?』
「さぁな…島に着いたら買い物に行くか」
『一緒に行ってくれるの?』
「当たり前だろ」
『うれしい…あ、でも私今持ち合わせ無いんだった』
「んなの俺が全部出すに決まってんだろ」
『そんな!悪いわ』
「言いっつってんだから甘えとけ。それにこれからだって欲しいもんは全部買ってやる」

嬉しくてそのままローに抱きついた。
ありがとう、と言うとあぁと素っ気ないように見えて実は分かりやすい反応をするローを可愛く思ったのは秘密である。

「そろそろ戻るか」
『そうね』

腕をしっかりと絡めて仲良く2人並んで歩く様子はもはやこの船の日常と化してきている……
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