短編集
□信頼は愛情に
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ちょいと設定
秋風夕璃(アキカゼ ユウリ) 14才
容姿は黒髪で首もとまでのごく普通の子。顔は可愛い。
秋風雪音(アキカゼ ユキネ) 16才
髪は茶色がかっていて(地毛)、肩につくかつかないか。ややつり目。イケメソ。
ー ー ー ー ー ー ー ー
「お兄ちゃん。」
僕は隣にある兄の部屋の扉を三回程ノックして、声をかけた。ゆっくりと、深呼吸をする。
「夕璃か。入っていいよ。」
いつもの優しい声に少し安心し、扉に手をかける。キィ…と扉が開くと携帯をいじっている大好きな兄の姿があった。
早速、声をかけようとしたが中々声がでない。喉が乾く。羞恥が顔に出てしまいそうで、手には少し汗が出てくる。
「どうした?何かあったか?」
「あ、あの…あのねっ…、一緒にお風呂……入らない…っ?」
「へっ…?!」
やっと口に出せた言葉。その言葉に兄はただ驚いていた。わかってる。こんな年して”兄と一緒にお風呂に入りたい”なんて引かれて当然なのだから。けどそんなことは承知の上だ。
「話したいこと、あって……。そっちの法が、都合がいいからっ……。」
不安になり、顔を少し上げてみると兄はいつの間にか僕の前に立っていた。そしてポンポンと軽く頭を撫でた。
「そうか。準備、してきな。俺先に入っとくから。」
そう言うと着替えを持ち、兄は部屋を出ていった。その後を追うように自分も部屋へ戻り、着替え等を準備してお風呂場へ向かった。