短編集
□寂しくて
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5月の始め。
僕は部屋で自分のモノを慰めていた。いつもならこんなこと、しない。今はお兄ちゃんがいないから…、一人じゃ寂しくなってきたから。
お兄ちゃんは学校の行事で三日間、泊まりに行っている。お兄ちゃんとは毎日触れあっていて、会えないだけでこんなにも寂しくなるなんて思わなかった。
今日は三日目。お兄ちゃんが帰ってくる日だ。やっと会えると思うと興奮してきて、今ではこの有り様だ。
「あっ、あぁ…んっー…。」
自分のモノをいじるのは久しぶりだった。最近ではお兄ちゃんとしてたから、お兄ちゃんのは触っていたけれど自分のをやることはなかった。
「あっ、イ…くっ…!!」
手の動きを早くすると、僕のモノからはどぴゅっと白い液体が溢れてきた。最近出していなかったためか、量はいつもより多かった。
「……。」
しかし、こんなことでは満足できなかった。お兄ちゃんのが欲しい。自分で指を入れても物足りなくて、何かないかとお兄ちゃんの部屋を覗くと紙袋に入れられたバイブとローターを発見した。まあ、洗って返せばいいだろうと思って少し使わせてもらうことにした。
「っん……ぅ……」
まずはローターを自分のナカへと入れる。何回もお兄ちゃんと体を重ねたせいか僕の穴はすんなりとローターを呑み込んでいった。
「っと……これ、かな…?」
とりあえず一番弱く設定してみると、ブルブルとローターは僕のナカで振動する。
「あっ、は……んっ、あ。」
でもそんなんじゃ足りなくて、僕はローターを中まで上げる。
「はっ、あぁんっ!んっ…あっ、ひあぁ…!!」
さっきより気持ちいい。自然と僕の手は自分のモノへと伸びていて、さらに強い刺激が僕を襲う。
「んっ、やあぁ!…お兄ちゃんっ…あっ、ふあぁっ!!」
お兄ちゃんの事を考えていると、穴はヒクヒクして、ローターをさらに奥へと呑み込んでいく。と、ローターがゴリッとした部分に当たる。
「ひゃああっ!!だめっ、イくっ…んっ、お兄ちゃ…あっああ…!!」
二回目に達しようとしたとき、家には誰も居ないはずなのに扉が開いた。
「んー?俺の事呼んでどうしたのかなー?」
「あっ…!」
お兄ちゃんが入って来た驚きで手が止まり、二回目に達することが出来なかった。折角お兄ちゃんが帰ってきたというのに、僕の頭の中は早くイきたいということでいっぱいだった。
「夕璃ったら、俺が帰ってきたのにお出迎えしてくれないんだもん。」
「っう……ご、めんっ…。」
そうだよね…。昔から、お兄ちゃんが何処かに出掛けに行って帰って来たとき、必ず玄関まで行ってたしな。今日は夢中になり過ぎて家のドアが開いたことにさえ気づかなかった。
「まあいいけど…。それ、俺のやつだよねぇ?」
「あっ……。」
お兄ちゃんは床に置いてあるバイブと僕のナカに入っているローターを指さして言う。そんなことすっかり忘れていて、意識すると急に恥ずかしくなり鼓動が激しくなる。
「ご、ごめんなさっ…あっ……。」
「んー…、……じゃあ、自分でシて見せてよ。」
イったら許してあげる、と言われた。できる訳がない。お兄ちゃんが見てるのに自分でするなんて、恥ずかしい。
「それ、は……む、りぃ…。」
「ふーん。じゃあ、今日はヤらないよ?夕璃が俺に触るのも禁止ね?」
それこそ無理だ。やっとお兄ちゃんが帰って来たのにヤる…のはまだしも、触れるのさえダメだなんて。それなら…とも思うけど、恥ずかしいものは恥ずかしい……。
「っ……。」
「どーすんの?玩具なら、そのまま使っていいけど。」
僕は覚悟を決めた。
「する…、自分でするからっ……。」