[ブ]short story
□少女漫画
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「相変わらず、本棚はミステリーやら難しそうな本ばっかりね〜。ちょっとくらい恋愛小説とか少女漫画とか読めばいいのに…(呆)」
久しぶりに苗字邸に遊びに来た園子と蘭は、名前の部屋でキレイに整理整頓されている本棚をみると園子はポツリと呆れた声で口を開いた。
そういえば、この本とか新一がすっごい面白いって言ってたよ!なんて言う蘭はその本を指さした。
『そうなんだよんね!やっぱ新一とは気が合うわ。』
「ダメよ、名前!新一くんは蘭の旦那なんだかr「ちょっと園子!!///」…ニシシ」
『わかってるよ、そう意味で言ってるんじゃないの!読む本の趣味が同じだから話が合うってことだからね!蘭の彼氏を取るなんてことしないよ。フフ』
名前はからかうように蘭を見やる。
「名前までやめてよね〜もう…///」
「まあ、それはさて置き…―――はい」
園子はドンッと重たそうな紙袋をテーブルに置おいた。
『なに…それ(呆)』
「ふふふ、名前がなぜ、そんなに男に態勢がないのか…やっとわかったのよ――」
真実が分かったように名前を睨む園子に名前は生唾を呑んだ。
蘭は、あははと困ったように笑っている。
「それは―――」
『!!――』
「少女漫画を読んでないからよ――」
『はい?……』
ポカーンと口を開ける名前に園子は得意げな笑みを浮かべている。
「あはは、意味わからないよね…。園子ね、名前が難しい本ばかり読んでるからたまにはこういう恋愛系の本を読んでもらいたくて気休めにって――」
紙袋から出して一冊の少女漫画を渡す
『漫画か…。読んだことないわ』
「でしょ、文字ばかりの本じゃなくてイラストで描いてある本も中々面白いよ!少女漫画なんかキュンキュンすんだから!これで恋愛のコトとか勉強できちゃったりもするし、貸してあげる!」
『あ、ありがと。』
「男に何か言われるたんび赤くなる名前見てたら、なんか男たちがすぐ調子乗りそうだからさ。こんな男は危険!とかわかるから試しにでも、いや全部読みなさい!そして態勢つけなさい!」
腰に手を当てて名前を見やる園子に呆れて笑うしかなかった。
『…確かに、男性との接し方とかあまりわからなかったし。これ読んで勉強してみるわ』
「うんうん!それ、今人気の少女漫画だから最高に胸キュンよ☆」
「そうそう、私も読んだけど結構面白かったよ!(勉強になるのかは別だけど…(呆))」
そして、名前は園子から借りた少女漫画を学校でも読むようになった。
「あれ?名前ちゃん、少女漫画とか読むんだ!」
『これ?普段は読まないけど…園子に借りたの!』
「へぇ〜、やっぱり園子お嬢様もこういう本読むんだね〜」
そういって、名前の読んでいる少女漫画の表紙を確認すると声を上げた。
「それ、今人気の漫画じゃない!(しかもそれ…ちょっと過激なやつ…)」
と、快斗の居る隣で言えるわけもなく…。
彼もへぇ〜と眺めていた。
『そうみたいだね、これ読んで勉強しろって言われちゃってさ〜困ったよ』
とスラスラとページを捲っていく、読むスピードは新一よりは遅いが普通の人よりは速い。本を読むときの名前の眼差しはいつもより真剣でこれ以上話しかけないでと雰囲気を醸し出していて、それを察した青子たちはその場を後にした。
「…(最初にあの恋愛下手そうな名前ちゃんに読ませるにはまだ早かったんじゃないかな?…(汗))」
「ん?――」
恐る恐る振り向き名前の様子を伺う青子に快斗は頭を傾げた。
――6巻目はちょっと過激だよ…。
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