[ブ]お兄さんに恋した妹さん

□14
1ページ/1ページ





「その袋になにがそんなに入っているんです?」
『お・さ・け☆』
「はぁ…―――」



どうも、ポアロを後にし酒屋によってお酒をこれでもかって言うほど買いました世良名前20歳。
みんなが沖矢昴27歳が絶対あたしに落ちないと宣言したので、負けん気発動!!本気を出すためにお酒には割と強いあたしはこれで勝負するとしよう。
勝負のコトは言わないが、たまには2人で飲もうと誘うといいですよってニッコリ笑った。へっ…この後どうなるか分かりませんよ?昴さん…(ニヤリ)




「ホー、名前さんって結構強い方なんですね」
『え〜。そりゃまぁ…飲める方ですよ〜』
「飲める人と飲むとお酒もおいしいですね」
『っ……う、うん』



や、やばあぁああああああい!!!
あかん、視界が揺れてる…ああ、酔ってる…ウソだ
なんだよ、沖矢昴27歳!!オメー、全然顔色一つ変わってねぇじゃん!!
ええ…侮っていた。やばいだめだ。この後のお楽しみが…



『あ……――――』
「この様子だと…名前さん酔いつぶれますよ?」
『///……―――』



急に近づいてきた昴さんの顔に思わず赤面してしまった。
顔はもう赤く出来上がっているからバレてはいないだろうが…すっごいドキドキしてる…。ああ、かっこいい…。



「もう、お開きにしましょう…二日酔いになりますよ」
『いやら…』
「呂律も回らなくなってるじゃないですか…」
『っ…いやです…』
「!?……―――」


―ドン


余裕なあなたが腹立つ…落ちないあなたが腹立つ。
あたしは昴さんをその場で押し倒して、少し驚いた彼はそのままあたしを見上げる。



「名前さん?――」
『昴さんが…いけないんだよ?…あたしに興奮しないって言うから――』
「…………。」
『そんなにあたしのコト嫌い?』
「そんなことは言っていませんよ」
『あたしは昴さんのコト好きだよ?』



あたしは昴さんのハイネックのファスナーに手を掛けようとすると、ガシっと大きな手でつかまれた。



「そう言うのなら…お兄さんを断ち切れますか?」
『!?―――』
「お兄さんより、僕を兄以上に愛せますか?」
『なん…で…っ』
「僕自身ではなく兄に重ねられながらあなたを抱く、その道具に僕はなりたくはないですよ?」
『―――――。』





この人は本当にあたしの何もかもを見透かしている…。そうか、だからあたしに手も何も出さなかったんだ…。兄を好きだと…異常なあたしを最初から――


見抜いていたんだ。


なにも言えないあたしはただ彼を押し倒したままだった。



「どうなんだ……―――名前」



と、あたしを呼ぶ彼にまた兄が浮かんだ。



『フン…そうさ、あたしは好きでもない男に兄だと想像しながら抱かれる、それが唯一あたしの心を癒してくれるんだ…。あたしはどう足掻いても兄を断ち切ることはできない…異常な女。アンタはそれを最初からご自慢の推理力で見抜いてたってわけか――』
「………――」
『もう、それを知られちゃ…ココにいる理由もなくなった。出て行くよ』


と昴さんの体を開放し、ふら付いた自分の体を立たせてそのまま廊下に出てリビングを後にした。

ああ、これでこの生活も終わりだな…こんなコトしなきゃよかった。
頬を伝う一筋の涙とモヤモヤとした気持ちが胸を締め付けて、昴さんのコト本当に好きだったんだなと身体が知らせる……初めて兄以外で好きになった人だったのに…でも、もう遅い。

壁に体を少し預けながらどうにかやっと歩いていると、昴さんの足音が近づいてくる…来ないでほしい。兄を好きだと、あなたを道具としてしか見ていなかった異常なあたしに…近づかないで―――


―ドンっ

流れる涙を拭く腕を急に捕まれ壁に強く押し付けられる。
その行動に驚いて声を発する余地もなく目の前の彼に唇を奪われた


『!?――――』




あたしの目の前にいる彼は昴さんではなく…―――




秀兄だった。








14
To Be Continued...


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ