[ブ]お兄さんに恋した妹さん
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『―――――……はっ!?』
クワッと覚醒したかのように目を覚ますと、広いキングベッドにいつもの様に寝ている。隣を見ると彼の姿はなく…、タオルケットをはぐとちゃんと昨日の服装だった。いやいや、まだ望みはあると近くにあるゴミ箱をみると…
『―――ない…だと…っ』
使用済みのアレを探したが無く、キレイに何も入っていないゴミ箱がコンニチハしていた…。最後の望みだと服を捲ると
『ヤツのキスマークじゃねぇかっ!!』
何らかの跡が残っているのではと肌を見たが薄く消えかかっているキスマークだけが主張して、望みが消えたと枕を殴り八つ当たった。じゃ、じゃあ……
『夢オチ…かよ…』
その答えが出てあたしは勢いよく走り出すとシャワー室に向かった。
「やけに騒がしいですね…」
頬杖を突きながらリビングでTVを見ていた昴さんはあたしの足音に起きたのだと察した。
シャワーを浴びながら昨日のコトを思い出す、確かに昴さんにあたしのコトを話して…それから――
キュっと蛇口を占めると浴室から出た
あああ、気持ち悪い…二日酔いだぁ
気怠い目つきでリビングに行くと、おはようございます。とにこやかに挨拶してくる沖矢昴27歳。結構、飲んだというのにオメーさん元気だね…と心の中で思った。
「昨日はだいぶ飲んでましたけど…大丈夫ですか?」
『お陰で二日酔いですよ…気持ち悪い』
「あまり飲み過ぎはいけませんよ。」
『昴さん、』
「はい?」
『あたし昨日あなたに失礼なコトしました?』
あたしは生唾を呑んだ。
「いいえ。僕を押し倒してそのまま寝ちゃいましたけど?」
『やっぱり…(じゃあ、あのコトも――)』
「はい、僕の上で寝られても困るので…そのまま寝室に運びましたけど」
『!?……(あれ?そのまま寝ちゃったの?…)』
どこもウソを吐いていないような言いぐさだ。
まあ…よかったのかな。
「二日酔いで気分が悪いようでしたら今日は、水をたくさん飲んでゆっくりしてくださいね」
『そうする…。』
そして、今日一日あたしは二日酔いで寝込んだ。
その時一人で寝れないあたしにベッドの横に椅子を用意し、昴さんは本を読みずっと付いていてくれた。
『…――しゅう…にぃ』
「―――フン」
そっと頭を撫でる大きな手に自然とあたしの表情が緩んだのは彼しか知らない。
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To Be Continued...