[ブ]お兄さんに恋した妹さん

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赤井Side



どうして沖矢昴がココに居るのか驚いていたがどうにか理解させた。
名前が起きたことを看護師に伝えると、昨日の産婦人科の女医が部屋に入って来て俺は病室を出ると休憩室の自動販売機で缶コーヒーを買った。
今から話すことは昨日話したことだろう。


俺は女医との話が終わるまで待っていた。




数十分後、部屋から出てきた女医に軽くお辞儀し俺は病室に入った。
ベッドの背もたれを上げて外の景色を眺めている名前の表情はココからは伺えない。



「名前さん」
『………』



名前を呼んだが、見向きもしないし返事も返さない。
やはり、ショックだったのか…?
そして、ゆっくり名前に近づく



『そこでストップ』
「??」
『それ以上、来ちゃダメ』
「どうしてですか?」
『昴さんはもう、あたしの容体知ってるんでしょ?…だったら1人にして――』



普通に話している様だが少し声が震えている。


「はい―――」


外に出ることなく、ワザとドアの音を響かせるように閉めて立ち止まると名前のすすり泣く声が漏れる。



そして、顔を手で覆いながら泣く名前を包むように抱きしめた。



『……!?』
「すみません、泣いてる人を放っておけないので」
『―――ッ』



あの時の様に名前をあやした時を思い出しながら、俺はまた同じく名前をあやす様に抱きしめた。心境はいまだに解らないが名前は崩れるように泣き始める。


泣きながら名前は何度も”良かった”と言った。その言葉の意味を俺は理解し、重く残っていた失望感から解放された。






落ち着いたら、ゆっくり話を聞こう。












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To Be Continued...


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