[ブ]Promise

□02
1ページ/1ページ


02:


教室に向かうと、名前の席は後ろの窓際。
外のきれいな景色が一望できる特等席だ。
春の心地よい風を感じながら名前は外を眺める

『今年の桜はきれいね』

ポツリと呟きながら微笑むと


「今年は去年より早い段階で満開らしいぜ」


隣の席からそう聞こえ名前は振り返ると
男子生徒が勢いよくポンと手から桜を出し、笑う。

「オレ、黒羽快斗。よろしくな」

『!?……あ、よろしく。」
―ー(さっきの彼だわ。同じクラスだったのね)

名前は差し出された桜を受け取ると微笑んだ。

『ありがとう。この桜もお綺麗ね』

その笑顔に快斗の顔が火照りだす。

「あ、いや、……どうも!」

カリカリと頬をかきながらそっぽを向いた。

「///……(か、かわいい…青子と全然雰囲気ちげー)」

『??……(どうしたのかしら?)」

火照る顔を落ち着かせ、また名前に振り返る

「名前は?」

『あ、旧姓名前です。よろしくお願いします』

「…そうか、よろしくな!名前!」

異性に名前で呼ばれることが滅多になく
名前で呼んでくれるのは”新一”しかいないため、態勢がない名前は
急に呼ばれた名前に顔が火照りだす

『///……』

「大丈夫か?」

『ごめんなさい。なんでもないです……///』

自分の顔がどんどん熱くなるのを感じ、顔を冷ますように触っていると
額に彼の手が触れた

「熱は……ん〜」

『!?あの…ちょッ////』
―ー(………恥ずかしい)

「熱はねぇみてーだな。名前って、結構恥ずかしがり屋なのか?あはは」

額から手を離し、茶化す様に笑い出す。

『ち、違います!!(違いません。)…異性に名前で呼ばれることがあまりないのでつい……あっ!(汗)』

思っていたことをつい口走ってしまった名前は口を押える。

「!?……へぇ〜(ニヤ)」

『そんなにジロジロ見ないでくださいっ』

「オメー、ほんとかわいいなっ」

名前はその言葉でさらに顔が赤くなり、心臓の音が聴こえてしまうほどの鼓動に耐え切れず、教室を飛び出してしまった。

「あ……、少し茶化しすぎたか?(汗)」

眉尻を下げ、その後を眺めながら彼は呟いた。





『なんなの、あの方は……///』

人目のつかない廊下の隅に隠れて呼吸と鼓動を落ち着かせる。
―ーこんなドキドキすることなんて、あの彼しかいなかったのに。
これはもしかして………こ、こ、こ……恋っ!?



【オメー、ほんとかわいいなっ】





『///!?……もうだめ…』

名前はその場にうな垂れてしまった。
彼女は異性に全くと言っていいほど態勢がないのである。








「あんたねぇ〜…初対面の女の子を茶化すんじゃないの!」

「オメー、盗み見するなんて見っともねぇぞ〜(呆)」

「ちょっ!盗み見なんてしてないわよっ!!」

「どうだか〜へへへ」

「快斗のばかっ!」

落ち着かせて帰ってきた名前は2人の様子を見ていた

―ズキッ

『…………』

校門の時とは違う感情の変化に名前は戸惑うしかなかった。










02:感情
To Be Continued...


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ