[ブ]Promise
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02:
教室に向かうと、名前の席は後ろの窓際。
外のきれいな景色が一望できる特等席だ。
春の心地よい風を感じながら名前は外を眺める
『今年の桜はきれいね』
ポツリと呟きながら微笑むと
「今年は去年より早い段階で満開らしいぜ」
隣の席からそう聞こえ名前は振り返ると
男子生徒が勢いよくポンと手から桜を出し、笑う。
「オレ、黒羽快斗。よろしくな」
『!?……あ、よろしく。」
―ー(さっきの彼だわ。同じクラスだったのね)
名前は差し出された桜を受け取ると微笑んだ。
『ありがとう。この桜もお綺麗ね』
その笑顔に快斗の顔が火照りだす。
「あ、いや、……どうも!」
カリカリと頬をかきながらそっぽを向いた。
「///……(か、かわいい…青子と全然雰囲気ちげー)」
『??……(どうしたのかしら?)」
火照る顔を落ち着かせ、また名前に振り返る
「名前は?」
『あ、旧姓名前です。よろしくお願いします』
「…そうか、よろしくな!名前!」
異性に名前で呼ばれることが滅多になく
名前で呼んでくれるのは”新一”しかいないため、態勢がない名前は
急に呼ばれた名前に顔が火照りだす
『///……』
「大丈夫か?」
『ごめんなさい。なんでもないです……///』
自分の顔がどんどん熱くなるのを感じ、顔を冷ますように触っていると
額に彼の手が触れた
「熱は……ん〜」
『!?あの…ちょッ////』
―ー(………恥ずかしい)
「熱はねぇみてーだな。名前って、結構恥ずかしがり屋なのか?あはは」
額から手を離し、茶化す様に笑い出す。
『ち、違います!!(違いません。)…異性に名前で呼ばれることがあまりないのでつい……あっ!(汗)』
思っていたことをつい口走ってしまった名前は口を押える。
「!?……へぇ〜(ニヤ)」
『そんなにジロジロ見ないでくださいっ』
「オメー、ほんとかわいいなっ」
名前はその言葉でさらに顔が赤くなり、心臓の音が聴こえてしまうほどの鼓動に耐え切れず、教室を飛び出してしまった。
「あ……、少し茶化しすぎたか?(汗)」
眉尻を下げ、その後を眺めながら彼は呟いた。
『なんなの、あの方は……///』
人目のつかない廊下の隅に隠れて呼吸と鼓動を落ち着かせる。
―ーこんなドキドキすることなんて、あの彼しかいなかったのに。
これはもしかして………こ、こ、こ……恋っ!?
【オメー、ほんとかわいいなっ】
『///!?……もうだめ…』
名前はその場にうな垂れてしまった。
彼女は異性に全くと言っていいほど態勢がないのである。
「あんたねぇ〜…初対面の女の子を茶化すんじゃないの!」
「オメー、盗み見するなんて見っともねぇぞ〜(呆)」
「ちょっ!盗み見なんてしてないわよっ!!」
「どうだか〜へへへ」
「快斗のばかっ!」
落ち着かせて帰ってきた名前は2人の様子を見ていた
―ズキッ
『…………』
校門の時とは違う感情の変化に名前は戸惑うしかなかった。
02:感情
To Be Continued...