[ブ]Promise
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そして、4人は近くにあるカフェに入る。
「名前に友達ができたことはとても嬉しいことなんだけど…」
何か、深刻そうに話し始める園子
「で?相変わらず、学校以外は外には出られないの?」
『!?………』
「「……………」」
『ちょっと、変な言い方やめてよ〜出られないってわけじゃないのよ?』
名前は笑顔を作る、この笑顔が作り笑いだってことは3人にはお見通し。
そう、苗字財閥の令嬢である名前は、鈴木財閥の令嬢、園子と違って気軽に外を歩かせてはくれず、遊びにも行かせてもらえないほどの家庭である。
一人で出かけられるとしたら、学校と園子、蘭、新一のいずれか一人が着いていれば出かけられるのだという。(試したことはない)
それ以外は、ボディーガード付きだ。
小学、中学時代の友達が少ないのは、いつでもボディーガードが付き纏って友達に迷惑をかけるのではないかと配慮した名前なりの結果だった。
この17年間、父の思い通りに生きてきた名前に園子はかなり心配していた、同じ令嬢としてそして一人の女性として。
「これからもずっと、おじ様の手のひらで踊らされてるつもりなの?」
『………しょうがないじゃない。そういう運命の中に生まれちゃったんだから』
眉尻を下げて笑う悲しい表情の名前に3人は目を見開いた。
「私がなんとかおじ様n『いいの……園子達にも父にも迷惑はかけたくないから。』」
『あたしが”あの時”逃げ出さなければ……』
ぎゅっとスカートの裾を握りしめて、ゆっくりそれを緩めると
さっきの辛そうな顔はどこへと言わんばかりに名前の作り笑いが見えた。
『あ!もう帰らなきゃ!久しぶりにあえて良かったよ!またね。』
そういうとカフェを出て一人で歩いて行った。
それを見送った3人の間には重い空気が流れる
そんな中、新一は口を開いた。
「詳しくは知らないが”あの時”以上の事をしたら、名前は邸から出られなくなるんじゃねぇか?」
あの時とは彼女が幼いころ逃げ出した時だ。
その時に快斗と出会っていることは3人には伝えていない。
それからというもの、名前が邸から逃げ出した日から父は名前をGPSで居場所をすぐにわかるようにし、1人で出かけられる場所も指定され、肩身の狭かった生活がさらに狭くなる一方だった。
「そんなこと絶対させないわよ!」
「そうよ!変なこと言わないでよ新一!」
「…………ごめんごめん。」
蘭に視線を向けるとちょうど後ろにいる1人の客が新一と目が合い急いで視線を逸らす。
名前が帰ってからカフェ内の客が3人とその1人の客しかいなかったのだ。
それに気づいた新一は何を思ったのか、さっきとは違う声色で話し始めた
「でもよ〜名前のお父さんの気持ちも分からなくはないぜ?」
新一はその客に聞こえてしまうぐらいの少々大きい声でしゃべりだした。
「どうしてそう思うのよ。ある意味監禁状態なのよ?」
「そうよ。」
「男心がわかってねぇなお二人さん!あんな”可愛い子”を他の奴に見せたくないってことだよ。」
新一からそんな言葉が出るとわ思っていなかった蘭は少し戸惑う。
「工藤新一!あんた蘭は兎も角、名前まで虜にしようなんてどういう神経してるの!」
「バーロー。そういうことを言ってるんじゃねぇよ。」
そして、ちょいちょいと手招きして2人に耳打ちをする
「財閥の娘、そして大金持ちで一人で出歩かせたくないほどの過保護。もしかしたら名前に――――」
「「まさか!!!!」」
――チャリンチャリン
それを聞き終えたのか、一人の客はカフェを後にした。
「………」
睨みつけるように新一は客を見送った。
08:令嬢
「今日はいつものお迎え場所じゃなかったため、迷ってしまいました遅れて申し訳ありません、お嬢様。」
『別に構わないわ、じぃはどうしたの?』
「あの方なら、今日は体調が悪いと言っておりましたので、代わりに私がお迎えに上がりました。」
『そう、しかも道に迷うってことは新人の方なの?』
「はい、今日から…『そう、じぃや慣れた人ならもう私の居場所くらいわかるけど、あなたみたいに新人だったら…その車のナビや父から渡された貴方のそのタブレットで私の居場所くらいわかるから、それ使って』」
「わかりました。――ってことはお嬢様にGPSを?」
『肌身離さず身につけろって言われてるから―ーこのGPS。』
そういって名前の首元からネックレスを見せた。
キラキラ光るダイヤモンドのネックレスだが、GPSが組み込まれている。
『GPS付きのネックレスなのよ。』
と話す名前をよそに、一瞬だけ彼の口元が上がったのを名前は気づかなかった。
To Be Continued...
あとがき→工藤新一出しゃばって申し訳ない。←