[ブ]Promise
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新一と父親(雅人)が何か話し合いをしている中、
名前はベッドに寝転がっていると思い出したくない記憶がまた蘇ってきた。
今は鮮明にハッキリと思い出すことができる、誘拐され助けられた記憶…
―――――――
―――-
―ー
――10年前――
あれは10年前のある日
「旦那様、庭にこんなものが――」
1人のBGが父にあるメッセージカードを渡して来た。
”12月25日
あなたの家宝でもある一番大事なお宝を
頂に参ります。
怪盗キッド”
「キッドからの予告状だ。皆、25日までに邸の警備を万全にしろ!」
屋敷内に父親の声が響く。
広い屋敷の2階に名前の部屋があり、そこは人目につかない場所で邸を知り尽くしているBGや父、母しかわからない様になっている。
「勝手に出るんじゃないぞ」
屋敷内も自由に出歩けないこの家といつも厳しい父親が名前は大嫌いだった。
それからと言うもの名前は一歩も外に出歩かせてはくれなかった。
いつも遊び相手になってくれたBGも警備の準備で構ってもらえずにいた。
そして、予告日の25日が来てしまう…。
厳重な警備とピリピリとした空気が流れていた、
名前はそっとドアを開けて誰もいないか確認すると部屋を飛び出した
でも、すぐにBGに見つかってしまう。
「だめですよ!お嬢様、部屋にお戻りください」
『ト、トイレ……「わかりました、では行きましょう」』
手を引かれトイレまで一緒についていくつもりなのかと名前はBGを見やる
『大丈夫だよ…トイレぐらい「ダメです、旦那様から一緒に行くように言われてますので」』
名前はムスっと表情を浮かべていると、別のBGが彼女の手を取った。
「私がお嬢様を連れていきますので、あなたは警備に回ってください。」
「!?――わかった」
「では、行きましょう」
別のBGに手を引かれてトイレに向かう。
用を足して終えると、なぜか別の部屋に案内された。
「急な変更で旦那様にお嬢様をこの部屋にと……」
そこも名前の部屋同様に人目にはつかない場所だった。
『わかった…。」
「では、終わり次第迎えに来ますね。」
微笑むBGの顔にその時は違和感を覚えなかった。
BGが名前を入れた部屋から離れるともう一人のBGが話しかけてきた。
「君、旦那様がこれをスーツの下に着ろと指示があった。」
別のBGが渡してきたのは防弾チョッキだった。
「――怪盗キッドは拳銃を持っているらしいって情報が回っている。」
「わかった―――」
BGは言われた通りに防弾チョッキを着た。
一人ポツンと取り残された名前は、入ったこともない部屋だったために探索してみることにした。
大事そうな数々の品物が置いてある部屋で、秘密の通路があるんじゃないかと子供ながらにワクワクしながら絨毯をめくると…偶然に一ヵ所だけ取っ手が付いていて、名前はそれを引いた。
『……梯子だ!』
そういえば、じぃが”何かあった時のために隠し通路があるんですよ!でも、これは誰にも内緒ですからね”っと話してくれたのを思い出した。
『じぃが言ってたのこれのことか!もしかしたら…』
12:蘇る記憶(回想)
『よいしょっ……。――出られた!』
じぃが言っていたことは当たっていて、
名前はこの時初めて邸を逃げ出した。
そして、あの事件が起こる。
To Be Continued...
※BG→ボディーガード