[ブ]Promise
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「お迎えに参りました」
『!?――怪盗キッド』
「どうなさいましたか?そんなに驚かれて…」
怯えとはちがう表情に問いかける。
『いいえ。なんでもないです』
さっき考えてた少年の言葉と重なったが、なにか違うと感じた名前は少し悲しい表情で微笑んだ。
「すみませんでした、あなたをこんなところに放置してしまって。大丈夫でしたか?」
『大丈夫です。2度も、あたしを助けてくれてありがとうございました。』
「いえいえ。――それに、私はあなたを守るようにと言われていたものですから…」
『え?あなた、あの時の怪盗キッドではないんですか?』
「私は、2代目なんです。…あなたを最初に助けてくれた怪盗キッドはもう…」
その言葉に名前も察した。ちょっと声のトーンが低くなった彼の声に名前は彼の手を握る。
「!?……」
『初代目でも2代目でも関係ありません。あたしを助けたのは”怪盗キッド”。あたしの命の恩人です。ふふ』
ふんわりとした微笑みと包まれた手から伝わる彼女の温かさに、ポーカーフェイスを維持していた彼の顔が驚きそして頬を染めた。
「!?……。では、誓いましょう…私はあなたをどんな時でもお守りいたしましょう。”怪盗”ではなく、あなたをお守りする”騎士”として。」
そういうと彼女の顎を持ち、自分の顔を近づける。
『!?―――』
そして、ゆっくりと重なった彼の唇と彼女の唇。
初めての感覚に目を見開くが、名前はふと思ってしまった…
――怪盗キッドが……あなたが快斗くんだったらよかったのに…
名前はそのまま瞳を閉じた。
20:黒羽快斗と怪盗キッド
To Be Continued...