レジェンド

□Sposami
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明王に連れてこられたお店は
いつもは行かないような高級店で
明王とのデートにドキドキする気持ちと
また別の緊張が私をおそう



「どーしたの?!高そうなお店だけど」

「たまにはいいじゃねーか
こーゆーのもさ」




そういう明王も、やはり慣れては
いないようで辺りをきょろきょろと
見回していた

その姿に、緊張してるのが私だけじゃ
ないんだと、少しほぐれた

それにお料理はどれも美味しくて
盛り付け方もキレイで目でも舌でも
味わうことができた





「どのお料理も美味しかったし
すっごくオシャレで素敵だった
明王、誘ってくれてありがとう」

「そっか、気に入ったならよかった」




そう言うと、明王はふうと息を吐いた





「なぁ、紅 話があんだけど」

「ん?」

「週刊誌とかでも噂んなってっけど
海外のチームに移籍するって話があって
今まで色々と話し合っててさ
今日、移籍するチームが決まったんだ」




真面目な顔の明王
この話をするためにわざわざ
こんな高そうなお店に誘ったんだと
やっと理由がわかった




「俺、イタリアに行くことにした
まぁ、今の実力でどこまで通用するか
わかんねぇけどな」

「イタリア??!すごいね
明王ならきっとイタリアでも通用する!
だってすごいプレーヤーだもん」

「んでさ、来月にはイタリアに
行かねぇとなんねぇんだ
向こう行ったらいつ帰ってこれるか
全然わかんねぇから
今住んでるとこも離そうと思ってる」



話しにくそうに言う
そうか明王はイタリアに住むんだもんね
もう日本にお家はいらないのか
ん?そうなると私はどこに住む??
新しい家探さないとじゃん


遠距離かぁ…きっと不安になるだろうな
明王ますます注目されてモテるだろうな
アナウンサーに狙われるんだろうな
なんて、どんどん妄想だけが進む
自分の妄想癖に笑えてくるくらいだ







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