無印

□kisskiss
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陶器のような白い肌に
対照的な赤い髪の毛
エメラルドの瞳が私をうつす




彼はかっこいいと思う
サッカーも上手いし、優しいし




だから私は彼のことが好きになった
そしたらなんと、彼も同じ気持ちで
私達は付き合うことになった




「ヒロト」

「ん?なに?紅?」

「近い」

「僕はもっと近づきたいと思ってるよ」




付き合って初めて知った
ヒロトはスキンシップが過剰だ


ことあるごとに抱きしめてくる
ハグくらいは私だって嫌じゃない
ヒロトはいい匂いがするから
ぎゅってされるのは気持ちいい


すぐにキスをしたがる
2人きりのときは私だって
拒んだりはしないけど
外とか人目につくところでは
全力で拒否をする


まぁ、ハグとかキスは恋人同士なら
普通のことだろうけど
さすがに挨拶がごとく胸触ってきたり
するのはどうかと思うの!!



「ねぇ、キスしていい?」

「人がいるとこは嫌って
言ってるじゃない」

「大丈夫、誰も見てないから」



ヒロトはそう言い、距離を詰めてきた



「確かに今は誰も見てないけど
誰か来たらどうするの?!」

「見せつければいいさ」




言うが早いかヒロトは私の唇を塞いだ
こうなってしまうと絡められる舌に
ひたすら応えることしかできない


ここが外だとか、誰かに見られるとか
拒んでいた自分はどこへやら
私は自らヒロトを求めていた


ヒロトが私から離れると
それを許さないと、ぎゅっと彼の服を
つかんで自分に引き寄せる



「ねぇ、もっと…、もっと、しよ」

「いいの?誰か来ちゃうかもよ?」



そんなことはもう、どうだってよかった
私って、こんなに欲しがりだったんだと
ヒロトと付き合って知った




「見せつければいいの…」

「くすっ、そうだね」




さっきと言ってることが逆でも気にしない
だってヒロトが悪いんだよ?
私のこんな一面を引き出したんだから…





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