無印

□girl meets god
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初めて彼のプレーを見たときから
私はずっと彼のとりこだった





まばゆい光に包まれ
輝く翼をもつ彼から放たれる
すさまじい威力のシュート





天から舞い降りた天使や神様のようで
私はしばらく美しい彼から目が離せなかった





「…キレイ」

「ん?」

「あなたのプレー
とてもキレイで、優雅で
本当に素敵だった」

「ふふ、ありがとう」





感動のあまり見ず知らずの彼に話しかけた
美しいのはプレーだけではなかった
金色の長い髪を揺らし私に近づく彼
整った顔に、優しい声の少年





「ごめんなさい、突然声かけて
私もサッカーはよく見るんだけど
あんなに美しいプレーを見たのは初めて
私、紅っていいます
九条紅」

「紅ちゃん、可愛い名前だね
僕はアフロディ、サッカー部なんだ」




ギリシャ神話に出てくる
美と愛の女神の名前に似ていた
まさにその名にふさわしいと思った




「その制服は、帝国だよね??
今度の大会であたるかもね
その時にまた、会えたらいいな」



彼はふわりと微笑み去っていった
私は知らなかった、女神の名前をもち
天使の微笑みの彼に隠された
悪魔のような力を…






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