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□惚れている
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全部全部、夢だったらよかったのに
今まで起こった摩訶不思議な時間旅行は
全部、授業中に居眠りした私が見た夢





誰かがそう言ってくれたら
きっと私は笑って納得した





「そうだよね、こんなありえないこと
現実におこりっこないよね」







織田信長も、ジャンヌダルクも、
三国志の諸葛亮孔明も、劉備も、
坂本龍馬も沖田総司も、
白亜紀の恐竜も、絵本の中の王様も
ドラゴンも
台風を取り込む規格外のやつも
全部全部夢だって言われたら納得するのに







彼らとの出会いは本物で
私たちは本当に未来の世界で戦った








「私も…、行く…」

「何言ってやがる
てめぇはこの時代の人間だ
この世界でやるべきことがあんだろ」






こんなに惚れさせておいて
私を置いてくなんて無責任なやつ
こんなに好きなのに叶わない
超えられない時空の壁






「別にこの世界から私がいなくなっても
なんの問題もない」

「わかってねぇな
未来っつーのは過去の積み重ねで
できてんだ
てめぇがこの世界からいなくなったら
これから先生まれるかもしんねぇ
子孫達が存在できなくなるんだよ」

「わからない、もしかしたら
私はあなたのこと忘れられなくて
生涯独身で子ども生まないかもしれない
そうでしょ??」

「俺は知ってる
お前がどんな男と出会って
何人ガキ産んで、いつ死ぬか」

「なにそれ、どうして??」

「お前のことならなんでも知ってる」

「意味がわからない…」

「俺は未来で、お前の子孫に会ってる
同じ顔、同じ声、そいつには過去の記憶があって俺を知ってると言った」






そんなことがあるのか、にわかには
信じられなかった
でも、今まで体験したことの全てが
信じられないことの連続だったから
ありえない、っていうのはありえない
なんて、どっかで聞いたことのある言葉
にも頷けた





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