レジェンド

□優しい君
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最近、丸くなったとよく言われる
もちろん太ったって意味じゃない
昔は誰も寄せ付けない、孤高の存在で
常に周りににらみをきかせていて
怖がられているような人だったのに




「イケメンサッカープレーヤー
イケメン神対応、ファンサービスも
丁寧に……ねぇ」




サッカー雑誌に取り上げられる明王は
昔の彼を知ってる人がみたら
目を疑うものばかり
もちろん、イケメンってのは認める
だって明王 かっこいいもん




「そんなのほとんどライターが
勝手に書いてるだけだろ」




そう言いながら明王はキッチンに立ち
私の大好きなチーズリゾットを作っている

というのも、私はめずらしく体調を崩し
明王に看病してもらっているところ
髪を一つにしばり、腕まくりをして
キッチンに立つ彼はまさにイケメン主夫

惚れ惚れします…




「ほらよ、熱いから冷まして食べろよ」

「んー、美味しそう いただきます」




普段の一口サイズより少なめに
スプーンに乗せ、フーフーと冷まして
口に運ぶ
明王は本当に料理がうまい
本人いわく一人暮らししてたからと
いうことだが、それでも上手すぎる



「美味しいっ、本当に美味しいよ
ごめんね風邪とかひいて
うつしちゃったら大変なのに」

「気にすんなって」



明王は自分用に作ったチャーハンを
食べながらそう言った



みんなはね、明王のこと昔より
丸くなったとか言うけどね
明王は昔からずっと優しいってこと
私は知ってるよ





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