無印

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グラン様から解放され急いで
自室に戻ろうと走っていると
角のところで人にぶつかってしまった




「ガゼル様っ!申し訳ありません!!
完全に私の不注意でした
本当に申し訳ありませんでした」

「紅か
どうした、そんなに焦って」

「いえ、少し急いでいまして…」

「…グランか」

「…」




ガゼル様の口からグラン様の名前がでて
図星のため反応に困っていると
ガゼル様はふっと口角をあげ私を壁際に
追いやった




「ガゼル様?!」

「グランに何をされた?
同じことを私にもしてみせろ」

「何を…おっしゃっているのですか?」

「私が知らないとでも思っているのか?
あいつとお前の関係を」




ガゼル様は壁に手を付き私の逃げ道を塞いだ
感情の読めない青い瞳に私が映る





「私とグラン様は、ガゼル様の
思ってらっしゃるような関係では
ありません…
私のミスを指摘されていただけです」

「ふん、そうか」



そう言うと突然、ガゼル様は
私にキスをしてきた
ガゼル様の舌が私の口内をかき回す
うまく呼吸ができずに涙が出た




「グランがお前に手を出す理由も
わからなくもないな」





唇を離したガゼル様はそう言い去っていった




あぁ、まただ
またグラン様に叱られる…







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