レジェンド

□告白
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その日、私は決心した
どんな結果になってもいい
私は、佐久間コーチに告白する






「佐久間コーチ!」

「どうした九条??
こんなところで
もう帰ったんじゃなかったのか?」





部活終わりに佐久間コーチを呼び止める
コーチはとても驚いた顔をしていた






「あの、佐久間コーチ…お話があります
お時間よろしいでしょうか?」

「ん?なんだ?」

「私、佐久間コーチのことが好きです!
突然こんなこと言って…ごめんなさい
でも、もう黙って見てるだけじゃ
ガマンできなくて…その…」



私が言葉を選んでいると
佐久間コーチは優しく私の頭を撫でた




「ありがとう、九条の気持ち
すごく嬉しい
でも、その気持ちに応えることはできない」




わかっていた、返ってくる言葉なんて
わかっていたから悲しくはなかった





「もし私があと10年早く生まれてたら
もし私が、生徒じゃなかったら…
結果は変わっていましたか??」

「そうだな…、もしそうなってたら
九条と会えてなかったかも
しれないだろ?
だから、今の自分を否定するな」




私をなぐさめるように、諭すように
頭を撫でる佐久間コーチの手が優しくて
泣きそうになるのを必死にこらえた




「ありがとうございます佐久間コーチ
ごめんなさい、お忙しいのに
呼び止めてしまって」





これ以上、ここにいたら
本当に泣いてしまう
そんなことしたら、佐久間コーチに
ますます子どもだって思われるし
迷惑をかけてしまうから






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