レジェンド

□交際期間0日婚
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「結婚かぁ」




ぽつりとつぶやく




「あら、ついに基山君と結婚するの?」





目の前にいるのは中学からの友人の
雷門夏未、この前結婚したから
円堂夏未になったのか





「なんで相手がヒロトなの?!
ってか、基山じゃなくて吉良ね」

「吉良紅…やっぱり
苗字変わるって違和感あるわよね」

「でも、円堂夏未はけっこう
しっくりきてるよ?」

「からかってるの?!」






夏未とこうして話してると
学生のころに戻ったみたいだ
あの頃からこうして2人で
恋愛トークで盛り上がってた
話題はいつでも同じ
夏未は円堂君の、私はヒロトのこと






「紅と基山君って
付き合ってなかったのね、意外だわ」

「そう?ずーっと私の片思いだよ
ってか、夏未、円堂君と結婚して
苗字円堂になったのに
まだ円堂君って呼んでるの??」

「だって、出会ってから10年も
円堂君って呼んでるのよ?
今さらいきなり変えるなんて無理よ」

「そっかー、確かに10年も
当たり前だったのをいきなり
変えるのって難しいよね…」



意味もなくコーヒーのカップを
スプーンでくるくると回しながら
そうつぶやく



「それよ!!紅!!」



夏未がひらめいたように言った
目をキラキラさせながら私を見る
なにか、彼女のなかでそうとう
いいことを考えついたらしい






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