Hate

□蛇と遭遇、鼬の威嚇
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広大な土地に建つ、立派な美術館のような建物…___________全寮制国立魔法魔術学校。

関係者以外、この学園に立ち入る事は深く禁じられている。逆を言えば”許された者の場所”____________古い家系の者は勿論、魔戦で好成績を収めた者、難関実技試験に合格した者のみが入学を許される魔術師専門の国内最高超エリート大学で、代を重ねた家の者ならば誰もが目指す場所の一つ。


「なぁ、お前俺らの魔戦チームと組まねえ?」


……_______さて。
魔術師の世界において重要視されるのは当然”力”や”魔力”………そして”家”。名のある古い家と親睦を深めたり、配下にしたりと、まるで政治の様な事がこの世界……そしてこの学園では当然の様にある。


『ならない』

「なっ!なんでだよ!お前いろんな奴に付け狙われてんだろ?だったら俺らの仲間になった方がいいだろ!?」

『……いい』

「チッ…
煌李家の異端児のクセに___________…!」


昼間の校庭。穏やかな日差しの中。1人の男子生徒の吠える様な声が響くと…

__________所々ハネた黒髪女子の赤い瞳が動いた。

「______…ッ!(…なんっ…だよこれ身体が動かねぇ…)」


少し大きめのカッターシャツ。ゆるく結ばれた長いネクタイ。黒いサルエルパンツから見える細い足首。…………睨まれているわけではない。女子生徒は髪型も服装も緩いのに、男子生徒はその赤い瞳から目をそらせずにいた。


「おい!お前何しやがった…!」

『え?なんのこと?』

「くっ……!」



女子生徒はそう言って微笑すると、その場を立ち去った。

__________校庭が騒めく。




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