Hate

□新入り視察とスパイ
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『………(人数増えてる)』

綾芽がシャワーから出ると
最初からいた古森と起きたらしい宮に加え、佐久早と星海が加わっている。

「おー、おかえり綾芽ちゃん」

コンビニに行っていたのだろう。古森は「食べる?」とかりゃあげくんを爪楊枝に刺しながらシャワー上がりの綾芽に声をかけた。

『うん』

「ほい」

綾芽はかりゃあげくんの刺さった爪楊枝にかぶりついた。そんな綾芽にソファに座ってコーヒーを飲む宮が「気分はどうや?痛いとこない?」と尋ねる。

『うん、大丈夫。昨日はありがとう宮くん。消費した分……返す?』


綾芽はス…と腕の袖を上げた。ぼんやりと光る魔術刻印がチラリと見える。


「フッ…。律儀やなぁ、ええよそんなん。俺がやりたくてやった事やし」

『……そう?
____________佐久早くんも昨日はありがとう。宮くん呼んでくれたの佐久早くん…だよね』

「…別に。」

そっけなく返事をする佐久早に、古森はフフッと笑った。綾芽はそれだけ言うといつものように一番端の一人用ソファに腰掛ける。


「あそーだ、昨日の報告なんだけど
やっぱQの刺客だってさ。学園内焼却炉付近の結界の一部に小さい穴が開いてたらしい」

「予想通りやな。正に針の穴に糸を通す芸当、向こうはそれも朝飯前ってとこか」

「問題はそこじゃない」

「そうそう、佐久早の言う通り問題なのは俺ら組織の場所をどうやって知ったのかって事なんだよねー」

「俺らの顔は知れてんだろ?だったら結界破って侵入してから姿消して探したんじゃねえのか?」

「まぁその可能性もあるだろうなー。今回のことに関しては学園側が秘密裏に探ってるってさ」


そんな報告に大して焦る様子もない彼らは、さすが選抜された組織といったところ。しかし綾芽は腑に落ちない顔でこう言った。


『問題は二つだと思う』



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