番外編

□海
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今日はとても暑い日だった。





3ヶ月寝たきりだった身体もようやく筋力や体力が戻り、再び学校へ顔を出して一週間。



ようやくもとの生活に戻りつつあったある日の事だった。



「高嶺ちゃん!」



『あ、カナちゃん』



クラスで 次の授業の準備をしていると、隣のクラスからカナちゃんがやってきた。(二年生になってクラスが替わった)



『どうしたの?』



「ね、この頃暑いじゃない?巻さんや鳥居さんと週末海に行こうって話になったんだけど!」



高嶺ちゃんも一緒に行こうよ!と、お誘いを受けた。



海か…実は海へ行ったのはこの前誘拐された時が初めてだったりするのだ…。(本編参照)



本当はもっとゆっくり海をみたりしたかった私にとっては願ってもないお誘いだった。



『行きたいっ!…けど、一応聞いてみてからでもいいかな?』



只今居候継続中の身である。やはり、家人に許可を得てからの方がいいよね…。



「ならさ、今から聞きに行こうよ!」



『え…カナちゃん!?』



そう言ってカナちゃんは私の手を取り、走り出した。











「え、海!?」



笑顔で私の手を取り、走り出したカナちゃんはその足でリクオくんの所へ行った。



どうやら私の外出許可を一緒にとってくれるらしい。



「そう!巻さんと鳥居さんと私と高嶺ちゃんで!」



行ってきてもいい?と、カナちゃんスマイルに考えこむリクオくん。



「…女の子だけじゃ危なくない?」



「じゃあリクオくんも行こうよ!」



「えぇ!?」



「高嶺ちゃん、海で遊んだことないんだって!だから、ね?」



カナちゃんの言葉に、リクオくんと目があった。その視線に、無理なら断るからという視線を込めて返すと、なかば諦めたようにため息が帰ってきた。



「…わかったよ。うちの妖怪(やつら)も何人か連れて、みんなで行こう。(高嶺一人じゃ…ね)」



女の子だけじゃ何かあっとき大変だし…と言いながらリクオくんは意外にもオッケーしてくれた。




カナちゃんは巻さんと鳥居さんにその旨を伝えに走っていった。残された私は…




『あの…ごめん、ね?』



「謝るようなことじゃないでしょ?」



『けど…迷惑じゃ…』



「高嶺の行きたいところなら、何処へだって連れて行ってあげたいと思ってるよ」



そう言ってリクオくんが笑ってくれた。そのことにじわりと心が温かくなる。



『ありがとう!』



私も満面の笑みで返した。










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