番外編

□半妖の苦悩
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ここは奥州遠野一家の住まう地…。たまには遊びにこい(修行しにこい)との手紙を頂いたリクオくんと共にやってきました。



赤河童様という、大きな河童さんにご挨拶したのち、修行場にやってきた私達…。



今回は座敷わらしの紫ちゃんのひょんな言葉から、事件が勃発したのだった…。



「高嶺って何の半妖なの?ケホッケホッ」



『………………え』



たっぷりと間を開けました。そりゃあ、もう。



「そういやぁ、気にした事なかったな…」



「お前は気にしたことねぇのか?」



『………あ、ははは』



「………ないのね」



イタクさんと冷麗さんに呆れられてしまった。




そうだ、半妖になったんだった…。そもそも、私が半妖になったのは晴明に取り込まれた際に葵が助けてくれたことによる副作用だと聞いている。



『私って…何の半妖なの?』



「知らねえから聞いている」



呆れたイタクさんの痛いツッコミを頂いた。



「高嶺が半妖になったのって、鵺が関係しているんでしょう?」



『…そうみたいです』



「じゃあ鵺をイメージしてみたら?ケホッ」



紫ちゃんのありがたい言葉を胸に、実践してみることにした。



『鵺のイメージかぁ…』



「あいつクソ強かったからなぁ」



昼なので男の淡島さんががははと笑う。



「…大丈夫なのか?嫌な予感しかしねぇぞ」



「リクオ…お前はあいつに過保護すぎだ」



広い修行場…みんなに背を向けて鵺をイメージしてみる。…と、いっても鵺のイメージって…



永劫輪廻…だっけ?あの恐ろしい技しかもはや印象になかった。



そんなことを考えていると、指先をふよふよ浮いている球体が…。



『なに?これ…』



よくわからず、球体を幹の太い木へピッと投げてみた。



ゴッと、音をたてて太い木の幹が球体状にくり抜かれ、向こうの景色が見渡せるようになってしまった。



『んなっ…!?』



「あら、成功したじゃない」



『これ、成功って言うんですか!?』



「…………ほれみろ」



「…………………………」




リクオくんとイタクさんが頭を抱えたのは、言うまでもなかった…。









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