たんぺん!
□嫉妬ぐらいする
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「で?言い訳があるなら聞こうか」
ここは高天原。毘沙門天様の城内で兆麻の私室だ。あれから私は兆麻に強制送還され、ここまで引きずられて連れてこられた。
『…………』
「言い訳もなしか?お前は相変わらずだな。僕と同じ祝の器でありながら何故ヴィーナを裏切りかねないような真似をするんだ?」
あ、ダメだ…
『……兆麻だって、雪音くんに術を教えてるじゃん』
言っちゃいけない
「僕はちゃんとヴィーナの了解を得ている」
止まって…
『私だって!…ちゃんと主様に伝えてる…主様だって分かってくれてる!なのに、兆麻は…』
ダメ、
「っとにかく、もう小福様の処に行くのはやめるんだ」
どうして…?私はただ、主様と夜トにちゃんと仲直りして欲しかっただけなのに…
そう思うのは、そんなにいけない事……?
『っどうして、頭ごなしにダメって言うの?そんなに私のやる事が気に入らない!?』
だ、め…
「っあぁ、そうだ!」
っ!
兆麻の大声の肯定に、ビクリと肩が震えた。目の前が真っ白にでもなったかのように何も見えなくなっていく。
はは、なんだ…。本当に嫌われていたんじゃないか…。
どうして今まで、気付かなかったんだろう。
『………本当は私の事なんて、ずっと嫌いだったんでしょ…』
「は?」
『いつも、私にだけ冷たくあたるもんね…』
「な、なんで急にそんな話しに…」
『…本当はあの時っ、麻の一族の皆と一緒に死んで欲しかったんでしょっ!!』
「っっ!!」
ぱぁんっと、音が鳴った時…何をされたのか分からなかった。
気がついたら、私は壁に背を預けていて…
口の端から血が滲んでいて…
あぁ、殴られたのだと 理解した。
「あ……蒼麻……」
兆麻はびっくりした顔のまま硬直していた。私は無言で兆麻の部屋を出ると、自室までは泣くもんかと唇を噛み締めた。
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