HQ短編
□雨のち嵐
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一度も話をしたことない人なんて、このマンモス高校には腐る程いる。大抵の人は顔見知りでもない限り興味も持たないだろう。だけど、私は違った。
一度も話はしたことがない。
名前も知らない。
だけど何故か群衆の群れからその人を探しあてると、不思議と目がいってしまう。
視線が離せない。
どうしてなのかは分からない。
好きなのかと聞かれても分からない。
話した事もない人をそもそも好きになったことなどない。
だけど視線が奪われる。
そんな人が、同学年にいる。
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