黒バス短編
□ラストゲームのその前に
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ジャバウォックとの対戦を前に、僕達は未曾有の危機に晒されていた…。
紫「……うわあー」
黄「……これは、」
青「……………」
日「…そんな予感はしてた、ああしてたさ」
火「…だから、なんで飯にサプリ入れんだあの人」
黒「…それは、カントクだから…としか」
緑「…俺達は一体何を試されているのだよ…」
高「…一周回ってうけるわ、これ……」
赤「……流石に初めて見るな」
VSジャバウォックの為のドリームチームである、キセキの世代を中心としたメンバー達は、己の眼前に広がる"夕飯"にそれぞれコメントを漏らしていた。
桃「さあ皆どうぞ!」
相「おかわりも沢山あるからね!」
彼女達の台詞に絶句する面々は、それでも食べないという選択肢が自分達にない事を覚悟すると、力の入らない手でそれぞれ箸を持った。
折角作ってくれた彼女達の好意を無下にする事も出来ず、僕達は死地へと駆けていった…。数々の犠牲を出して…。
夕食後、ラウンジに集まった僕達は今後のご飯問題に直面している。
青「おい火神!お前飯作れよ」
黄「そーだよ火神っち作れるんだから!」
火「はぁ?俺が練習できねえだろうが!」
緑「…だがこれは死活問題なのだよ」
赤「ああ…早急に手を打つ必要があるな」
この急造チームでの合宿時の食事は、確かに死活問題だった。対戦する前に腹痛で入院する姿を想像する者は少なくはない。
黒「…仕方ありません、助っ人を呼びましょう」
黄「黒子っち、誰か料理の得意な人知ってるんスか!?」
黒「…知っている、というか皆さんも知ってる人ですよ」
ちょっと失礼します、といいながら僕は静かに自身のケータイを取りだし、慣れた手つきでその番号を検索した。
そんな様子を固唾を飲んで見守るメンバー達は、僕の電話口の相手を各々想像している様だ。
黒「あ…もしもし、はい僕です。実はお願いがあるんですけど…はい、一週間分の着替えをもって…はい、場所は…」
黄「黒子っち誰に電話してるんだろう…」
青「…さあな」
黒「…そんな事言わずに、お願いします…命に関わるんです」
赤「…大分苦戦しているみたいだな」
緑「…ああ」
黒「…え、条件?…ちなみになんですか?……絶対イヤです」
紫「…黒ちんが絶対イヤな事って…どんなこと頼まれたんだろー」
火「……さあ?」
黒「……もう埒があかないので取り敢えず迎えに行きますね。君がイヤでも行きます。それじゃ」
ピッと切られたケータイを睨み付けてため息を吐いた。
高「相手誰なんだ?」
黒「…妹です、一つ下の」
日「へえ〜妹いたのか黒子」
黒「はい、誠凛にいますよ」
火日「「まじかよ!?」」
赤「…高嶺か」
黄「俺高嶺っちのオムライスがいいっス!」
青「アイツの飯なら唐揚げだな」
紫「お菓子作ってもらお〜」
高「キセキの世代は皆黒子の妹ちゃんの事知ってんの?」
緑「ああ、帝光時代はよく合宿で世話になったのだよ。主に飯の」
赤「家まで迎えに行くのか?」
黒「はい」
黄「俺も行くっス!」
紫「俺もー」
黒「なら皆で行きましょう」
ここから近いのもあり、結局皆で高嶺を迎えに行くことになった。
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