たんぺん!

□孤独の葛藤
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今日も私は悪魔退治に奔走する。右を見ても左を見ても、どこもかしこも悪魔、悪魔、悪魔、悪魔。



まるで悪魔の大安売りだ。



私が刀を一凪ぎすると、周囲の悪魔は瞬く間に消し飛んだ。



場を清めるためにCCC(トリプルC)濃度の聖水を撒いて詠唱(アリア)を唱える。すると、場の空気は清浄なそれになった。



私はその性質上、単独任務が多い。それは私が使役する悪魔の攻撃範囲が広いということが理由の1つに挙げられる。



武器である刀も使役している悪魔の持ち物であり、過度な威力を発揮してしまうために私は同じ祓魔師の中で孤立していた。




悪魔憑きの祓魔師として。





















「おぉ〜い、高嶺ー!」



『……シュラさん?』



任務帰りに正十字騎士團日本支部で、先輩であるシュラさんに声をかけられた。彼女はその豊満な胸を惜しげもなく揺らしながら、その両の小脇に何かを抱えてやってきた。



「くっそ!離せブス‼」


「っシュラさんっ‼」



よく見ると片方は最年少で祓魔師の資格を取得した同い年の奥村君だった。



私は奥村君の一年遅れで祓魔師の資格を取得した。奥村君と同列視されて天才なんて言われるけど、彼に比べたら月とスッポンだ。



「高嶺は任務帰りかにゃあ?」


『はい』


「なら調度いい!皆で飯食いにいこう!」



『それはいいですけど…そろそろお二人を離してあげては?』



「お?」



「っぶは!シュラ‼てめぇー‼」



奥村君じゃない方の男の子は、大分威勢がいいみたいでシュラさんにくってかかっている。



奥村君はイライラした様子で、眼鏡を直していた。



「すみません久世さん…兄が騒がしくしてしまって」



『…お兄さん?』



「はい。双子の兄なんです。…と、言っても二卵性なのであまり似てないですが」



『お兄さん…え?奥村君が兄じゃなくて?』



「よく言われます」



奥村君はにっこり笑うと、先程よりも生き生きした様子になった。



あの騒がしくてシュラさんにくってかかっているのが、お兄さん…。



私は何度か奥村君とお兄さんを交互に見てしまった。






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