封神演義
□ここで封神して
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歴史の道標との戦いが終わり、仙人界と人間界には一つの区切りが打たれた。
仙道は極力人間界には干渉せず、仙人界も楊ゼンを筆頭に変わりつつある。そんな世界に一番貢献した彼は、一応死んだ事になってはいるが、どうやらスープーや武吉の話を聞く限りでは人間界をふらふらとしているようだ。
おそらく仙人界に戻った所で雑務を押し付けられるだろうし、女禍の影響を人間界が受けていないか各地を転々とし自分の目で確かめている…といった所なのだろう。
自身に与えられた部屋でうつらうつらとそんな事を考えている時のことだった。
私の所に一匹の鶴が舞い込んできたのだ。
『…白鶴?』
白「高嶺!よかったここにいて」
『どうかしたの?』
白「実は太上老君より文が届きまして…」
『…老子が私に文…』
まさか寝ながら書いたんじゃあるまいな。
白「急ぎ中身を確認して下さい」
白鶴は私に文を渡すと、颯爽と飛び立ってしまった。面倒事から逃げたともいうが…。
仕方なく白鶴が置いていった文を開く。
ー高嶺へー
どうやら先の戦での痕跡が人間界に残っているみたいなんだ。ちょっと調べてきて
………おい、そんなの兄弟子の申公豹に言えばいいじゃない!私よりも出来がいいんだから
PS,彼は私の言うことを聞くようなたまじゃない
…………そーですね、わかりましたよ。
そして、おそらく寝ながら書いたであろう人間界の地図を見て重い腰を上げたのだった。
『楊ゼン』
楊「高嶺?どうしました」
『人間界に行きたいから通行許可証をちょうだい』
楊「まさか、君まで師叔を探しに行くなんて言い出すんじゃ…」
『自分から勝手に姿をくらました奴の事なんか知らない。そんなことより、老子から文が届いて急いで人間界に行かなきゃいけないの』
楊「太上老君から…そうでしたか。それならどうぞ」
楊ゼンは許可証を渡すとニコリと微笑んだ。
楊「気を付けて行ってきて下さい」
『ん』
楊ゼンから許可証を受けとると、私は人間界へ急いだ。
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