封神演義

□師叔!
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『師叔っ!』

此処は周の西岐城。西伯候姫昌殿を次の王とするべく、崑崙山の道士達は日々頑張っていた。そんな中、人一倍頑張る太公望師叔のお力になりたくて、私も日々奮闘中です。

『城下の人が道士様達にって採れたての桃を沢山くれたの。師叔もどーぞ!』

太「おお!桃か。これは嬉しい差し入れじゃのうにょほほ〜」

『みんなにも配ってくるねー!』

太「うむ」

私が出来ることなんて微々たるものだけど皆の為に頑張るのはとっても気持ちいいから私はどんな事も進んでやる。

『あ、天化ー!』

天「おー高嶺」

『はいこれ差し入れ!』

天「桃さ!」

『城下の人が差し入れにくれたの!食べてね』

天「おー!あんがとな」

天化は私の頭をわしゃわしゃ撫でると、早速桃をかじりながら去っていった。

そうして桃を配りながら歩いていると、中庭の池に姫昌殿が腰かけていた。

『姫昌殿!』

姫「む?高嶺殿、どうされた?」

『城下の人に差し入れをいただいたんです。もし、お身体に障らなければお一ついかがですか?』

姫「城下の者が…これはいただかなくてはならんな」

姫昌殿は柔らかく笑うと、私の手から桃を一つとって大切そうに掌に納めた。

『宜しかったら切り分けましょうか?』

姫「道士殿にそこまでしてもらうのは…」

『いいんです!私に出来ることなどたかがしれていますから。それより、姫昌殿がお召し上がりになってくれるのならいくらでも切り分けますよ?』

姫「…では、お願いしよう」

『はい!』

そして姫昌殿と城内へ向かった。


姫昌殿の分とちゃっかり自分の分の桃を切り分け、お茶を用意してから彼の待つ部屋へもっていくと、姫昌殿はにこりと笑って桃を食べてくれた。

食の悪い姫昌殿が食べてくれたのが嬉しくて、私も桃を頬張った。

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