オリフィスに滑り落ちる砂のように、刻々と過ぎていく時間。
それは、短い時を懸命に生き、瞬く間に駆け抜ける数多の生命――。
それを、愛はじいっと見つめていた。
砂がすべて下へ落ちると、くるりとひっくり返す。
そしてまた同様に滑り落ちるのを眺める。
何度も何度も、飽きなく繰り返す――。
繰り返しながら、愛は考えていた。
自分の将来について。
――いつか居なくなってしまう。
母さんも、零も、今は氷の中にいる父さんも。
灰閻君も、瑠佳さんも、暁さんも、千里君も、梨磨さんも、英君も、拓麻君も。
わたしを置いて――……。
だったら、わたしだけの世界を創ろう。
大好きな人達の子孫たちに囲まれて、幸せにしあわせに暮らすの――。