色々な松
□ヘタレてる場合じゃない!!
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松野家3男、松野チョロ松です。
唯一の常識人かな?
まぁ常識人なんて言ってるけど実は6男トド松と付き合っている。
他の兄弟には言ってない。僕とトド松の秘密。
だから目立っていちゃいちゃしたりなんて出来ない。
たまーーーーーに一緒に出掛けたりするくらい。
バレないためには仕方ない。仕方ないんだけど・・・
「ねぇーおそ松兄さぁーん?」
「甘えてもやんねぇぞー?トド松ぅ〜」
目の前でこうも堂々とベタベタ絡まれてると何ともいえない感情が渦巻く。
でも、止めることも出来ない僕は気を紛らわすように本を読むくらいしか出来ない。
「ねぇーいいじゃんー一口ちょーだいってば〜」
「やーだね、これは俺の戦利品なのー」
おそ松兄さんは戦利品という名の行列の出来るプリン専門店のプリンを頬張る。
トド松はぶぅ、と頬を膨らませておそ松のプリンをジーッと見ている。
(そんな食べたいなら言ってくれれば買ってきてあげるのに・・・)
そう思いながらチラリと2人の様子を見遣る。
トド松は未だにプリンを狙ってるのかおそ松の隣で正座をしてプリンに熱視線をおくっていた。
おそ松兄さんがプリンを掬い、口に運んだその時。
トド松が間に割って入ってプリンをパクッ、と頬張った。
「っ・・・!?」
「あぁぁー!トド松!てめぇ・・・!」
「へへ♪これすーっごい美味しいね〜♪」
ニコニコと満足そうな笑顔を浮かべているトド松の行動に痺れを切らせて、本を置いてトド松の腕を掴むと部屋から出て行った。
視界の端に入ったトド松の表情がニヤリ、と歪んでいた気がした。