色々な松

□七夕
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晴れた夜空に広がる星空。
特に星が集まって一つの大きな河を作る。
その両端に輝く、彦星と織姫星。
そんなお伽話の2人が出会える今日、七夕に我々日本人は笹の葉に願い事を書いた紙を吊るし叶いますようにと空に願う。

それはこの松野家でも例外ではない。
6男トド松が張り切って笹に飾りつけをして、チョロ松が色とりどりの折り紙を切り取り吊るすための穴を開けて紐を通していく。
十四松はトド松の手伝いをして2人してきゃっきゃと楽しそうにはしゃいでいる。
カラ松は七夕は云々と一松に長々と語りかけているが一松はそれがまるで聞こえていないかの様に友達の猫と戯れている。それでも尚語るカラ松の精神は強いのか、気づいてないだけなのか・・・。
長男であるおそ松は誰の手伝いをする訳でもなく、むしろチョロ松の邪魔をしていた。


「ちょっと、おそ松兄さん邪魔しないでくれる?」

「だって〜どうでもいいし〜」


ぶぅと口を尖らせながらチョロ松に後ろから抱き着きバタバタと暴れる。そんなおそ松に溜息を吐きながらもチョロ松は作業する手を動かす。


「これで完璧〜!チョロ松兄さん、出来た?」

「あぁ、今出来たとこ」


トド松が十四松を連れてベランダから戻ってくる。チョロ松は6色の折り紙をそれぞれに配るとトド松はペンを配った。

「さ!願い事書いて!」

「いやいや俺達もう20超えてんのよ?
そんないい歳した大人が願い事って、ねぇ〜?」

「・・・俺、別にそういうのないし」


トド松の言葉にぶーぶーと文句をつける2人を差し置いてカラ松がフッ、と笑みを浮かべながら立ち上がる。


「できたぜ。聞きたいか?」

他の兄弟はカラ松の言葉をシカトしてんーと頭を悩ませながら願い事を書いていく。
カラ松はしゅん、と落ち込むと一松の背中に自身の背中を預けるように座り込んだ。


「ちょっと・・・カラ松邪魔しないで」

「一松も早く書いてくれ」


一松の言葉そっちのけでカラ松は体をゆらゆら揺らす。


そして、トド松、十四松、チョロ松、おそ松、一松の順に書き終わりそれを飾るために6人はベランダに出た。
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