色松
□梅雨
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梅雨真っ盛りの季節になり、雨がザアザアと降る日が続いている。
今日は朝から晴れていておそ松はチョロ松とデートに、十四松とトド松もでかけて行った。
一松は暑い外に出る気にもならずに部屋でゴロゴロしながら漫画を読んでいた。
カラ松も一松が出掛けないならと一松の傍らに座り手鏡を持ち自分の顔を飽きずに眺めていた。
「・・・暇、だね。」
「ん〜?それなら何かするか?」
ポツリと一松が呟いた言葉に反応して手鏡を置き、一松の方を見遣る。
一松は漫画を閉じ、よっこらせと身体を起こしてカラ松と向かい合うように体育座りをした。
「何って、何すんの・・・」
「そうだなぁ・・・何がいいか」
んーと頭を悩ませるカラ松。
一松も腕に顔を埋めて考えながらチラリと窓の外を見た。
真っ黒な雲が空を覆っている。
一雨降るかななんて思いながら何をしようかと考える。
「・・・ぁ、梅雨やだし照る照る坊主でも作んない?」
「照る照る坊主?・・・フフ、そうだな。作ろうか」
一松の言葉にポカン、とするとニコリと微笑み頷いた。
一松は笑われたことに少しムッとしながらも立ち上がり押し入れを漁ってタコ糸とカラフルなペンを持ってくる。
「ん?・・・雨が降ってきたみたいだな」
カラ松が窓の方に視線を移すと窓を打ち付ける様な激しい雨が降っていた。
一松は憂鬱そうに溜息を吐くとティッシュを3、4枚取り出しクシャクシャと丸める。
カラ松もそれを手本に照る照る坊主を作り始める。
「これ、楽しい?」
「一松となら何をしてても楽しいぞ」
ニコッと微笑むカラ松からフイ、と視線を逸らすと形が出来た照る照る坊主を並べていく。
全部で6個の照る照る坊主が並んだ。