王家の紋章

□雨のち晴れ
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*セリフなし



イズミル王子が婚約の解消を申し出てきた
彼と婚約したのは半年前のこと
ヒッタイトではかなり上の方の貴族で父は王の側近、母は前王の姉
数多くいた婚約者候補の中から王妃様と王子が選んでくれたと聞いていた
だから婚約解消だなんてことは絶対にないと両親もみんな思っていた。私以外は
だって、イズミル王子自身が選んでくれたんだから。でも現実は違った
彼は会って数日の少女を選び自身で選んだ婚約者である私を捨てたのだ

なんで?どうして?という感情は私にはなかった。私にあったのはやっぱりという感情だけ
私はお父様とお母様のおっしゃるままに習い事をし常に自分を磨き続けてきた
でもいくら自分を磨こうと私は自分に自信を持てなかった
だって見た目は完璧にできても中身はダメだったから
だって、婚約解消されてから何もする気がおきないの
きっとこんな娘はいらないって両親にも捨てられてしまうわ
だからね?私は決めたの






もう、全て終わらせようって





サザンと波が岩に叩きつける音がする
きっとここから身を投げれば全てが終わる
イズミル王子は少女を妃に迎えヒッタイトは安泰
両親は婚約解消された家の恥である娘がいなくなれば新たなスタートをきれる

私は・・・私は、生を終えて生まれ変わる


自分に自信を持てる女性になれたらいいわね



ああ、でも心残りは貴方に想いを伝えれなかったことですね




イズミル王子。
月が綺麗な日に貴方と出会いました
そして雨が降る日にの婚約が決まりました
星が綺麗な夜に貴方との婚約が解消されました
その星が綺麗な夜の次の日から私は私が降らせた雨(涙)で濡れています。ずっと雨音が響いています
イズミル王子。明日は晴れるでしょうか?







晴れてくれたら嬉しいです




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