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「あの……野田さん?」
「ひぃっ、はいっ」
「……俺のこと、怖いんスか?」
野田は首がちぎれるかと思うくらい、ぶんぶん首を縦に振る。
「……大丈夫っスよ。捕って喰ったりはしないっスから」
「ほ、本当ですか?
「本とっスよ」
こわ、怖がらないように善処します……」
野田は、口の中で、モゴモゴさせながら話す。
どれだけ仗助の奴の事が怖いんだ?
……まぁ、身長に差があるからか?
野田の身長は160もないだろう。155か、157ぐらいだ。
それに対して、仗助は180もある。
野田の身長を155と仮定して、身長差は25p。
髪の毛も相まって、“怖い”という印象しかないだろう。
警官のくせに、度胸がないな。
けれど、伸びしろはありそうだ。
……使い方によっては、良いキャラになりそうだ、フフフフ。
「えぇと、事件の事が、知りたいんですよね?」
「あぁ。……できるだけ詳しく教えてくれた方が助かる」
「わ、わかりました……。けど、その、口外しないでくださいね。マスコミや、親しい友人や、家族にも言わないでくださいね」
「承知の上だ」
僕はゴソゴソとメモ帳とペンを取り出す。
カイロのおかげで、手だけはホカホカだ。
「……えぇと、今回亡くなられたのは、横瀬美奈子さん、29歳の独身の方です。亡くなられたのは3日前で、
死亡時刻は午後1時13分で確定されています」
そう言ってから野田は、近くにいた警察官に敬礼し、何か話をしていた。
そして、鍵がジャラジャラついた紐をもらい、こっちに来る。
「今から、横瀬さんがなくなった部屋へ行きますけど、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
僕は、紅桜と仗助の顔を見る。
紅桜はお好きに、という風にこっちを見て、仗助は不意と顔を背けた。
「……えと、行っても大丈夫ですか?気分悪くなったら言ってくださいね。……2階より、寒いんで……」
紅桜と仗助はこくりと頷く。
野田は、それを見てから、ビクビクと進んでいく。
自分の心配をしたほうがいいんじゃあないか?
と、声をかけたくなるくらい、ビビっている。
「なぁ、君は警官になってどれぐらいだ?」
「え、えぇと、まだ、1年です……」
「こういう事件に関わった事は?」
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