main

□2
1ページ/8ページ

ジリリリリッ
という目覚ましの音で目を覚ます。
時刻は午前五時。
私は、んーっと伸びをして、大きな欠伸をする。
座って寝たから、体中が痛い。
机の上にあったパソコンの画面には、岸辺先生のピンクダークの少年の主人公の画像が出ていた。
……昨日の記憶がほとんどない。
たぶん主人公とか、作品の傾向とか、絵の癖とかいろいろ画像を見て調べてたら寝てた、ってとこか。
私はゆっくりと起き上がって、洗面所へと行き、顔を洗う。
化粧が嫌いな私は、基本化粧なしで会社に行く。
けど、今日はした方がいいよな。
化粧品があったかどうか見ようと、棚を見る。
ファンデーションと口紅しかなかった。
アイシャドーぐらい欲しかったけど、無いなら仕方ない。
私はファンデーションと口紅を棚から出して、キッチンへと向かい、朝ご飯を作る。
基本自炊をする。そっちの方が安くつくから。……というか、あまりコンビニのご飯とか、食べたくない。……不健康そうだから。
テレビをつけて、ニュースを見る。
アナウンサーの人が、今日の天気を教えてくれていた。
……そういえば、杜王町の行方不明者数は、全国平均の8倍か何倍か、って言われてた気がする。……8倍は多いか。5倍か4倍だったっけ。
いい街なのに、そんなことあるんだなぁ、と思いながら、焼きあがった目玉焼きをフライパンに乗せたまま食べる。……洗い物が増えるのは嫌だから、よく乗せたまま食べる。楽だし。
……今日の天気はところにより雨、気温は30℃、降水確率は、60%と、70%か。
傘持って出たほうがいいか。
私は目玉焼きを食べ終え、パンをトースターで焼く。
……はぁ。気乗りしないなぁ。
どんな人か気にはなるが、別に担当になってまで見たくないしなぁ。
チンッ
という目が覚めるような音がしたので、私は、トースターからパンを出して、食べる。
携帯がぶるぶると振動したので、見に行くと、メールが来ていた。
編集長からだ。
“露伴先生のとこへ行ったら、今日は休んでいいよ。しっかり羽伸ばせよ”
……えーっ。午後から休みか。
やることないんだけどなぁ。
私は、あと半分のパンを大きい口でかじりながら、今日の午後の時間を、どう使うか考えていた。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ