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遺体の手に、だって……?
…………まさかが、当たっているかもしれない。
「今言える事は以上です」
「自殺か他殺か、どっちかわかるのか?」
「現在は自殺の方が有力ですね。……いささかおかしい部分もあるんですが、事件、と扱ったほうが、矛盾が多いので……」
「なるほど、ありがとう」
……自殺、か。
よく見ると、この部屋には冷暖房が完備されていた。
「なぁ、この冷房は、最低何度まで下がるんだい?」
「……わかりません。す、すみません!いますぐ聞いて
「いや、いい」
「そうですか……。すみません」
野田は少し、シュンとなってしまった。
けれどすぐに手帳を見始め、与えられる情報はないか、探し始めていた。
「……あ、第一発見者の山田さんは、2階のフロアにある空き部屋にいるらしいです。会いに行かれますか?」
「行く、行って、いいか?」
「はい」
紅桜がすごく喰いついた。
……そんなに山田福吉とかいう奴と、仲が良かったのだろうか。
「そう言えば、不思議なんですよね」
野田が部屋から僕達を追い出し、鍵を閉めながらそう言った。
「その、さっき言った山田さんの部屋だけ、異様に寒いんですよ。北極にいるみたいで」
「へぇ」
「ブルブル震えて、死にそうでした」
「その、山田……とかいう奴は、いくつなんだ?」
「確か、19歳でしたよ」
……僕の1つ下か。
「あ、ここです」
ネームプレートには、“山田福吉”と記されていた。
ここで間違いないだろう。
野田はコンコン、とノックして、
「山田さん、あの、山田さんに会いたい人がいるって、来てますんで、開けてくれませんか?……漫画家の、岸辺――

ドッ

と、野田の横を、刃のようなものが通った。
野田は、ガクガクと膝を震わせて、ぱたりと倒れてしまった。
……壁に何か刺さっている。僕は近寄って見てみた。

凍った木の棒が突き刺さっていた(・・・・・・・・・・・・・・・)


To be continued……?
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