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昨日、あんだけの熱が出ていたのにピンピンだ。
とても気分がいい。
さすが岸辺先生だな。
私は今朝、というか今さっき、岸辺先生を送ってから編集長に電話をした。
とても気分がいいけど、大事をとって休みたかったのだ。
編集長は昨日のことを知っていたのか、二つ返事で返してくれた。
……明日、頑張らないと。
私は家の鍵を開けて、布団にダイブする。
……やっぱりいい。自分の布団。
そういえば岸辺先生、なんで終始顔があんなに赤かったんだろう。
風邪うつったのかな。
……いや、ヘブンズ・ドアーで私の何か恥ずかしいところでも見たのかもしれない。
………それならドンマイだな。
というか、もしそうだったとしたら、岸辺先生ってかなりウブなところあるな。
可愛い。
……と、机の上にあったほったらかしの携帯がブルブルと振動した。
……マナーモードにしてたから、当たり前か。
私は布団から出て、携帯を見る。
着信だ。誰だろう。
私は電話に出てみる。
「はい」
“もしもし、紅桜さんっスか?”
「あ、仗助か」
“そーっス。仗助くんっスよ〜。大丈夫っスか?昨日あんなことあったし”
「あぁ。大丈夫だぞ」
“よかったぁ〜っ!俺ら起きた時、紅桜さんがベッドの上で寝てたから、何かあったのかと…………”
……正確には何かあったんだが、それは言わなくていいや。
「で、1つ気になるんだが、仗助には電話番号を教えていないよな?どうして私の電話番号を知っているんだ?」
“今ちょうど、承太郎さんのいるホテルにいるんスよ。そっからかけてます”
「なるほど」
……仗助と承太郎さんはなんか、あれなんだよな。
忘れたけど、なんか、なんかだったよな……。関係が。
……うーん……。
………………そうだ、仗助は、承太郎さんの叔父さん、ってやつだ。
複雑な関係だなぁ。
“あの、今会えるっスか?”
「ん、どうして」
“あ、それは……承太郎さんに代わるッア、ちょ

ゴゾッという音がして、

“もしもし”
という低い声が聞こえてきた。
承太郎さんだ。
「もしもし」
“昨日は災難だったな”
「まぁ……半分私のせいですからね」
“そうか”
……落ち着いてるなぁ。
「で、何か用なんですか?」
“あぁ、とりあえず来てくれないか?できるだけ動きやすい服で来てほしい”
「……どこへ行けばいいですか?」
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