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                                              💘
「悪かった、と仗助のお母さんに言っておいてくれ。」
「はいっス!今日は、その……ありがとうございました!」
「ああ、こちらこそ。……じゃあな。」
現在、午後六時。
……怒られるぞーっ、こりゃ。
俺はそーっと家の扉を開ける。
……あれ。
俺はあたりを注意深く見まわす。
……いないじゃん。ラッキー。
怒られない、セーフ。
と思って台所の机を見ると
“ちょっと買い物に行ってきます。帰ってきたら覚えてなさいよ!”
という、置手紙が置かれていた。
……ひぇーっ、ぜってー怒ってるじゃあねぇかよーっ!
俺は自分の部屋へこもって、今日会ったことを思い出す。……別に、現実逃避とかじゃねぇし。
……長かったなぁ。
俺は買ってもらった日記帳と、ペンを眺める。
綺麗な包装紙に包まれている。
俺はそれをビリビリにしないように破く。
そして、一番気になっていた、メッセージカードを見る。

“最高の一日をありがとう”

と書かれていて、その横には、俺の似顔絵が描かれていた。
俺にそっくりな似顔絵。
俺の、このカッピョイイ髪型までそっくりに描かれていて。
「ッ―――――ッ!グレートォッ!」
俺はそのカードを見えるところに貼る。
とっても嬉しい。
今ならテストで良い点取れそうな気がする。
……たぶんだけど。
あぁ、超嬉しい。
あって、お礼言いたい。
明日会えるかな。
俺はさっそく日記と、ペンを使う。
“今日は超グレートな人と会った。その人のおかげで超グレートな日になって、とても嬉しかった。”
たったの一行だけれど、その一行で今日のこの日あったことが、思い起こされる。
あぁ、楽しい一日だった。
……と、
「ちょっと仗助ぇ!帰ってきてんでしょ!?どーしてこんなに遅くなったのか、説明しなさい!」
「うげぇ!おふくろ!?」
俺はそーっとドアを開ける。
……あ、これはヤバい。
「仗ォ〜助ェ〜?」
……俺の一日は、まだ終わりそうにない。

「ごめんなさぁあぁぁぁあ〜〜い!!」
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