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                                                   💞
私は鍵を回し、家の鍵を開ける。
……あれ?回った感じがしない。
回った感じはするけど、あれだ、回った時の重みがない。
私は鍵を抜いて、試しにドアノブを回してみる。
すると、カチャ……と開いてしまった。
……あれ?私閉めたと思ったんだけどな……?
と思ったが、まぁ、私がきちんと確認しなかったのが悪いんだから、自分のせいだな。
と解決させ、一応、警戒しながら入る。
……今、効果音をつけるとしたら

ドドドドドドドドドドドド

という感じだろうか。
……少し、怖い。
恐る恐る部屋に近づく。
そして私は、一気につけれるだけに電気をつける。


……あ、誰も居ない。
良かった。
私は安心して、ふう、と腰を下ろす。
……どうしよう、先にお風呂にしようかな。
それとも、ご飯……。
と考えていると、
グルルルルルルーゥ
と、お腹が鳴る。
……よかった、一人で。
私はご飯にしようと、買ってきたクリームパンを開け、ぱくりと一口食べる。
あぁ、おいしい。
昨日ご飯食べたって言っても、おにぎり一個だけだから、お腹減ってて、まぁ、なんだ……
いつもなら、甘ったるいなぁと思うクリームパンでも、おいしく食べられる、ということだ。
私はクリームパンをくわえながら、コーヒーを淹れる。
コーヒーだけは好きで、1日3回は絶対に飲む。
今はまだ、あったかいコーヒー。
夏は冷たいコーヒー。
あぁ、なんか、冷たいコーヒーが飲みたいな。
私はコーヒーの入ったコップを持ち、席に着く。
……連絡とか、入ってないよな。
私はコーヒーを飲みながらケータイを見る。
……ん?着信が入ってる。誰だろう。
私はコーヒーを半分ぐらいまで飲んでから、電話をかけてみる。
トゥルルルル トゥルルルル
コール音が二回鳴った後、
「……はい」
という低い声が聞こえた。
……承太郎さんかな。
「紅桜です。申し訳ありませんでした。電話に出ることができなくて。」
「あぁ。……すまない。寝ていたんだろう?」
「え、あぁ……そう、です。」
私はハフハフと、承太郎さんにばれないようにパンを食べる。
「……何か、食べているのか?」
「んぐ」
なんか変な音したぞ。体から。承太郎さんが脅かすから。
「……もしかして、今起きたばっかりなのか?」
「…………んぐぅ」
私は、ごくりとパンを食べ終えてから、
「いえ、あの、……さっき起きたばっかりです。」
と返すと、承太郎さんは、少しだけ笑ったようだった。
だって、「フッ」って聞こえたから。
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