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「岸辺先生でしょ」
「ちがう」
「岸辺先生」
「うるさい」
僕は布団に丸まって出ない。
紅桜は、僕の服を無理矢理剥いだ。
目の前いっぱいに紅桜の顔が広がる。
「なんだよ」
「スタンドで私の風邪、治したでしょ」
「だったらなんだ」
「……ありがとうございます」
「フン。それだけか」
僕は紅桜を押しのけて、ベットの上から降りる。
「やっぱり優しいですね。岸辺先生」
「優しいだけだと思うなよ」
「わかってますよ」
昨日僕は、彼女を本にしたときに
“熱は下がり体調がよくなる”
と書いた。
「お目覚めかい……おや、助平君。顔が真っ赤だぞ?」
「うううううう、うるさいッ!」
僕は顔を手で覆う。




……昨日彼女が女の子の日だったなんて!僕は知らないぞ!
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