Recharge
□【二章】巡
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この間の秀くんとのお料理教室楽しかったなぁ、次は何の料理にしようかな〜?なんて平和な悩みをしながら学校から帰っていると、電柱に身を潜めながら新聞を読む見知った姿を見つけた。
「……おじさん?」
何か事件の最中かもしれないのでなるべく小さな声で話しかけると、おじさんは新聞から顔をあげた。
「おう、ハム子。
俺は仕事中だから帰んな。葵には当分帰らんから飯はいいって言っといてくれ。」
「はーい、お仕事頑張ってね。」
少し先にいる男性を尾行、しかも数日かかる…となれば不倫調査の類かもしれない。
帰ったら葵くんにその旨を伝えた。
こんなことは今まで何回もあり、漫画には載っていない日常の場面だった。
ー三日後
「ハッハッハッ!いやー、楽な仕事だったなー!三日間男を見張っていただけで50万!
こんな割のいい仕事もあるんだな!」
おじさんは上機嫌で帰ってきたかと思うと嬉しそうに今回の依頼について話しはじめた。
「親父、大丈夫なのかその仕事…?」
割が良すぎて怖い、と葵くんは少し引き気味だ。正直私も同意見だったが、おじさんは特に気にした様子もなく笑っている。
「この名探偵毛利小五郎を三日間も駆り出すんだ、こんくらい出しても悪かねぇって事だろ!ハッハッハッ!」
何かひっかかるなぁと思い、念の為依頼の詳細を聞こうとした時、
「今夜8時頃、観光客で賑わう赤鬼村火祭りのやぐらの中から男性の焼死体が発見されました…遺留品などから死体は根岸正樹さん42歳と判明……」
流れたニュースにおじさんがかぶりついた。
「なんだとぉ?!」
「どうしたんだ、親父?知り合いか?」
「知ってるどころか、俺は三日間この男のそばにいたんだよ…。」
「三日間って…まさか……。」
「そうだ、俺は昨日まで尾行していたんだ……この男をな!」
"引っかかり"の答え。それは、これが日常ではなく原作の事件だったからだ。
(でも、おかしい。この事件って確か結構最初の方じゃなかったっけ…。)
それこそ1巻とかの、本当に初期の事件だったように記憶している。
(なんで……?)
訳がわからないけれど、今はそれを考えてる場合じゃないのは確かだ。
「おじさん、警察に行こう!」
「ったりめーだ!」
おじさんは警視庁へ行き目暮警部に事件の証言をしに行くというので私と葵くんも着いていくと部屋に通された。