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□【三章】高校生探偵
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刑事さん達が忙しくしている中、私達はとりあえず席で座っているよう指示されたので待機することになった。
ボックス席に世良さん、私、葵くんの順で横並びになり、その正面に遠山さんと服部くんが座っている。

服部くんと世良さんがこの機会に仲良くなれないかなぁーなんて思ったが、その考えは完全に甘かった。


「いやー、服部くん名推理だったね!」

「はっ、こんなモンこの俺にかかれば朝飯前や!」

「まぁ、犯人逮捕はハム子ちゃんのアシストがあってこそだけどね。まだまだ詰めが甘いんじゃないか?」

ハム子ちゃん流石だったよ!なんて言いながら私の頭を撫でくりまわして褒めるものだから、手柄を奪い取られたと感じたのか服部くんは青筋を立てた。

「ほー、そんならジブンは犯人がわかってたんか?」

「ああ、モチロン!」

「ホンマかぁ?」

疑いの目線を送る服部くんに、葵くんと遠山さんが見ていられなくなったのか口を開いた。

「あー…そういえば服部とハム子ちゃんがあっちのテーブルに座って何かしてた時に世良も気付いたっぽかったよな。」

「はぁー?毛利も適当ぬかすなや!」

「平次、毛利くんは嘘ついてへんよ!
この子が『そう言うことか』…って、言うてたのウチも聞いたもん!
…飴ちゃんのことは知らんかったみたいやけど。」

「ほれ、俺の推理があってこそや!」

和葉ちゃんのフォローで形勢逆転といわんばかりにニヤニヤと服部くんは笑った。

「……そうだね、確かにその点は認めざるを得ないな。」

世良さんは俯き『はーあ』と態とらしくため息をついたが、顔を上げたときにはしたり顔で笑っていた。

「それにしても、服部くんにこんな可愛いガールフレンドがいたなんて思いもよらなかったよ。」

そう告げる世良さんに、二人は思いきり慌てた様子で否定した。

「平次とはそんなんとちゃう!」
「コイツとはそんなんやない!」

「はは、息もぴったりだ。お似合いのカップルだね。」

「「ちゃうわ!」」

世良さんの意見に内心同意していると、今度は世良さんは私をみてきた。

「なぁハム子ちゃん。
彼女がいるのに、工藤、工藤って他の女性のことばかり言ってるだなんてサイテーな男だと思わないか?」

服部くんからすると工藤工藤言ってるのは異性としての云々でなく探偵(ライバル)として…というのを理解しているのでちょっと違う様な気もするが、和葉ちゃんからすればあまり良い気はしないだろう。

「……あー、確かにそうかも。」

私が頷きドヤッとする世良さんと、なんだかショックそうな顔をしている服部くん。
和葉ちゃんはひたすら服部くんとはそういう関係じゃないと否定している。

「そもそも和葉とはそーいう関係やないから無罪放免や!せやろハム子!」

まだまだこの話が続きそうな様子に、恋愛レベルが小学生並の私にこれ以上何も聞かないでくれ…とすみっこで小さくなりながらお水をちびりと飲んだ。


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