Recharge
□【三章】高校生探偵
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ざざぁ……ざざぁ…………
照りつく太陽、白い砂浜。
「公子ちゃん、うみ、たのしいね!」
(そういえば小さい頃に葵くんと海に行ったなぁ…。)
浮き輪で浮かびながら海を満喫して、お昼を食べた後はビーチボール。砂遊びもした。
「すごいねぇ、キミ!物知りなんだ!」
(…そうだ。その時、知らない子と遊んだんだっけ。)
キラキラした瞳にくるくるの癖っ毛。
利発そうな顔に『王』と書かれたTシャツが特徴的だった。
その男の子との出会いはちょっとしたアクシデントからだったけれど、楽しい時間を過ごした友達だ。
(……そういえば、お互い自己紹介もせずにお別れになっちゃったんだよなぁ。)
最後にきちんと挨拶ができなかったのが心残りだったので、またいつか何処かで会えたらいいなぁ…なんて思った。
(………懐かしい夢。)
そんな夢を見たからかもしれないが、探偵事務所に遊びに来た世良さんとあの男の子の雰囲気が似ていたような気がした。